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肝硬変や肝がんはお酒ではなく…C型肝炎との攻防30年史

6/11(火) 11:50配信

Medical Note

「C型肝炎」という病気を、全く聞いたことないという方は少ないでしょう。ところがこの病気の原因ウイルスが発見されたのはわずか30年前の1989年、昭和から平成に年号が変わった年でした。当初は治療がなかなかうまくいかず、また副作用でつらい思いをする患者さんも多くいらっしゃいました。この5年ほどの間に新薬が続々と登場し、ついに内服薬だけでほぼ治る病気になりました。かつては治療が難しかったC型肝炎との攻防を振り返ります。【湘南藤沢徳洲会病院肝胆膵消化器病センター長・岩渕省吾/メディカルノートNEWS & JOURNAL】

◇初めての献血でC型肝炎感染の指摘が

「会社に献血バスが来ていたので、初めて献血に協力したんです。そうしたらしばらくして自宅に『C型肝炎ウイルスに感染している可能性が高いことが判明しました。医療機関を受診することをお勧めします。今後の献血はご遠慮ください』というお知らせが届いたんですよ。特に体の不調があるわけでもないのですが、驚いたので急いで受診に来ました」。50代後半の男性患者さんは、困惑の表情を浮かべながら受診した理由をそのように話しました。

◇日本は“HCV汚染国”

AでもBでもない肝炎の原因ウイルスが1989年に米国で発見されました。「輸血後肝炎」や原因不明の「非A非B型肝炎」と言われてきた病気の原因は、ほとんどこのC型肝炎ウイルス(HCV)だったのです。

「肝臓の病気」というと、お酒の飲みすぎが原因と誤解をする方がいまだに多くいますが、実際には我が国の肝硬変の半数以上、肝がんの70%以上がHCV感染に由来することが明らかになってきました。それまで、お酒による肝硬変や肝がんと思われてきた患者さんにも、次々と感染が見つかりました。C型肝炎は自覚症状が乏しいため感染に気づいていない方も多く、献血や保健所の検査結果が報告されるにつれ、日本は驚くほどのHCV汚染国であることがわかりました。現在70歳以上の20人に1人以上が、1度は感染したことがあるのです。

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最終更新:6/11(火) 12:31
Medical Note

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