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“スキッパブル“なインターネットから、「文化」は生まれるか?ーー土屋敏男×森泰輝×石井リナ「マスなき分散時代のメディア・コミュニティ・インフルエンサー」【前編】

6/11(火) 11:52配信

SENSORS

最新のイノベーションが国内外から一堂に会する国際展示会『InterBEE2018』で、「ミレニアルズ ~マスなき分散時代のメディア・コミュニティ・インフルエンサー」をテーマにトークイベントが行われた。

SENSORS編集長の長谷川リョーをモデレーターに、土屋敏男氏(日本テレビ放送網株式会社 日テレラボ シニア・クリエイター)、森泰輝氏(株式会社VAZ 代表取締役社長)、石井リナ氏(株式会社BLAST 代表取締役社長)が登壇。

SENSORSでは、イベントでのトーク内容を、前後編にわたってダイジェストでお届けしていく。前編にあたる本記事では、「マスなき分散時代のメディア論」についての議論をレポート。

「インターネットには文化が生まれていない」と語る土屋氏は、テレビ文化との比較からインターネット文化の可能性を考察する。一方で森氏は「SNSでは暇つぶしコンテンツがヒットしやすい」点を指摘し、石井氏は“スキッパブル“なネットの性質から文化の定着自体に疑問を呈した。

1990年生まれでミレニアル世代の有識者2名と、テレビ業界のヒットメーカー土屋氏が「ミレニアルズ」をキーワードに、新時代の動向を深掘りしていく。

長谷川リョー(以下、長谷川):今回のテーマは「ミレニアルズ ~マスなき分散時代のメディア・コミュニティ・インフルエンサー」。ミレニアルズとは、2000年以降に成人を迎えた人たちの総称です。

2000年代までは、人びとの話題の中心にテレビがありました。僕よりも下の世代になってくると、そもそもテレビを持っていなかったり、YouTubeやTwitterを見ていたりと、多用なプラットフォームに関心が分散する時代になっています。そうした時代背景のもと、今後どう時代が変化していくのか。ミレニアルズのトップランナーである森さんと石井さん、さらには平均視聴率17.8%、最高視聴率30.4%のヒット番組『電波少年』を10年間ほど手がけられ、長年テレビ業界で活躍されてきた土屋さんと一緒に議論していきます。


土屋 敏男氏(以下、土屋):僕はテレビ業界でずっと働いていまして、いまは日テレラボのシニアクリエイターとして活動しています。『電波少年』の他にも、テレビ局初のネットテレビとされている第2日本テレビを立ち上げたり、YouTubeを活用して間寛平の『アースマラソン』を3年間配信したりしてきました。一般社団法人1964 TOKYO VRを設立し、ライゾマティクスの齋藤精一さんとVR分野でのコンテンツ制作も行なっています。


森泰輝氏(以下、森):インフルエンサープロダクションVAZを設立し、代表を務めています。最近流行りのTikTokerを抱えるプロダクションとしては日本最大、YouTuberを抱えるプロダクションとしては日本最大級に位置している事務所で、所属タレントの力で企業のマーケティングを支援するインフルエンサーマーケティング事業を手がけています。


石井リナ氏(以下、石井):エンパワーメントメディア『BLAST』を設立し、編集長を務めています。「日本の女性を応援し、解放する」をテーマに、InstagramやYouTubeといった動画メディアでコンテンツを展開する分散型メディアです。「みんな違って、みんないい」の世界観を実現したく立ち上げました。元々はインターネットの広告代理店で働いていて、Instagramのマーケティング本を執筆したこともあるので、SNSマーケティングやミレニアルズの文脈でイベントに呼ばれることも多いです。


長谷川:テレビは、日本全体のボリュームゾーンに適した情報を優先して発信してきました。BLASTのように多様な価値観の存在を肯定するメディアは、新たな時代の潮流を表していると思います。


土屋:かつてのミニコミや、ライブハウスに置いてあった小さな冊子のような文化が、ネットで誕生しているということでしょうか。今日は、テレビや新聞やラジオといったマスメディア以外のメディアが次々と大きくなってきている現象について、お話をしていけたらと思います。

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最終更新:6/11(火) 11:52
SENSORS

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