ここから本文です

「終身雇用見直し」だけではない経団連会長発言の真意。人材入れ替え「ジョブ型」への野心

6/11(火) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

経団連の中西宏明会長の「終身雇用の見直し」発言が大きな話題になっている。終身雇用とは、入社後から定年まで雇用を守ることであり、正確には「長期雇用」である。

【全写真を見る】「終身雇用見直し」だけではない経団連会長発言の真意。人材入れ替え「ジョブ型」への野心

なぜ、見直す必要があるのか。中西会長はこう発言している。

「終身雇用を前提に企業運営、事業活動を考えることには限界がきている。外部環境の変化に伴い、就職した時点と同じ事業がずっと継続するとは考えにくい。働き手がこれまで従事していた仕事がなくなるという現実に直面している。

そこで、経営層も従業員も、職種転換に取り組み、社内外での活躍の場を模索して就労の継続に努めている。利益が上がらない事業で無理に雇用維持することは、従業員にとっても不幸であり、早く踏ん切りをつけて、今とは違うビジネスに挑戦することが重要である」(5月7日定例記者会見、経団連発表)。

これだけを読むと「今の事業の盛衰が激しい時代では雇用を守ることは難しい」と言っているようにしか聞こえない。

だが、中西氏の言いたいことはこれだけではない。一連の発言を追っていくと、終身雇用を構成する日本的雇用システム自体の見直しを求めていることがわかる。

日本的雇用システムとは、職業スキルのない学生を「新卒一括採用」によって大量に採用し、入社後は研修や職場教育によって会社の事業活動に必要なスキルを長期にわたって身につけさせる。

そして、毎年給与が上がる「定期昇給」や各種手当てによって家族を含めた生活を保障し、終身雇用で雇用の安定を約束することで後顧の憂いなく社業の発展に貢献してもらう仕組みだ。

中西会長が「日本的雇用システム」に言及し、波紋を呼んだのは2018年9月の就活ルール廃止の可能性について言及したことが始まりだった。

「終身雇用制や一括採用を中心とした教育訓練などは、企業の採用と人材育成の方針からみて成り立たなくなってきた」(2018年9月3日、定例記者会見より)

そして2019年4月22日、経団連の肝いりで開催された「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」の中間とりまとめに関する記者会見では、こう発言している。

「新卒一括採用で入社した大量の社員は各社一斉にトレーニングするというのは、今の時代に合わない。この点でも考え方が一致した」(記者会見発言より)

1/5ページ

最終更新:6/11(火) 12:10
BUSINESS INSIDER JAPAN

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事