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金融庁が「年金減額」表現削除 公表予定の「年金シミュレーション」とは?

6/11(火) 18:45配信

THE PAGE

 「公的年金の水準低下が見込まれる」との記述が波紋を呼んでいた金融庁の報告書案から、当該部分が削除されました。最終的な報告書には年金が減額されるという表現はなくなりましたが、これだけ話題になった後で、記述を削除しても意味がないと再び批判が集まっています。

「年金減額」削除の報告書 政府は受理せず

 金融庁は5月22日、「高齢社会における資産形成・管理」と題する報告書案を同庁の金融審議会に提示しましたが、この報告書案には「公的年金の水準が当面低下することが見込まれている」との記述が含まれていました。報告書全体としては、年金が減額される可能性が高いので、自力で老後の生活を成り立たせる必要があるという内容だったことから、「政府は責任を放棄するのか」といった批判が殺到しました。

 さらにこの報告書に関して麻生太郎金融担当相が「100まで生きる前提で退職金って計算してみたことあるか?普通の人はないよ、多分」「そういったことを考えて、きちんとしたものを今のうちから考えておかないかんのですよ」などと、お説教口調でコメントしたことが火に油を注ぎました。

 予想外の反響に慌てたのか、およそ10日後の6月3日に発表された報告書の正式版からは、年金減額に関する文言が削除されました。また、麻生氏は「政府のスタンスと異なる」として、最終的にこの報告書を受理しない考えを明らかにしていますが、今になってこの報告書を撤回したところであまり意味はありません。

年金財政検証の公表はいつ?支給額が大幅減の可能性

 今回、年金減額という表現に多くの国民が衝撃を受けたわけですが、実は年金が減額されるという話はこれまで何度も議論されており、関連する報道もたくさんありました。厚生労働省は、今後の年金支給額について、経済成長のシナリオごとにシミュレーションした結果を公表しており、状況次第では大幅な減額になる可能性があるとの報告を行っています。

 一部の政治家や政府関係者が、こうした事実にはあえて触れず、「年金は大丈夫」といったニュアンスで説明していたのは事実ですが、わたしたち国民の側にも「悪い話は見聞きしたくない」という意識があったことは否定できないでしょう。

 厚労省は5年に1度、年金に関するシミュレーション(年金の財政検証)を行っており、最新版は今年公開される予定です。昨年は6月前半に公表されており、今年も6月に公表されると見られていましたが、まだ発表されていません。一部では、政治への影響を考慮し、結果の公表を参院選後に先送りしたとの報道も出ているようですが、真偽の程は不明です。いずれにせよ、最新版のシミュレーションにおいて、どの程度の減額が想定されることになるのか注目が集まりそうです。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:6/11(火) 18:45
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