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発表から5年、待望のIntel第10世代プロセッサ「Ice Lake」はノートPCをこう変える

6/11(火) 20:14配信

ギズモード・ジャパン

数年前、私の向かいに座ったあるメジャーノートPCメーカーの代表が自信ありげな表情だったのを覚えています。彼のかばんの中には特別なモック(新製品の原寸大模型)が入っていて、それを見せたかったのです。

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中から出てきたのは、非常に薄いWindows 10ノートPCでした。ファンが必要なく、厚さはわずか10mm(参考:MacBookが13.1mm)。IntelのIce Lakeを搭載した、彼の会社の最初の製品のひとつになるとのことでした。Ice Lakeは長く開発中の10nmプロセスのチップです。彼は私に来年の今頃にはホンモノを見せますよと言っていました。でも1年経っても、試作機を見ることは叶いませんでした。

Ice Lakeも行方不明になりました。しかし、そんなIntel第10世代X86チップがとうとう正式発表に。

今私たちが使っているノートPCにIce Lakeの多大な遅れがどれほど大きな影響を与えたのかを理解するまでにはいくらか時間がかかるでしょう。市場をよく見れば、Ice Lakeを搭載するはずだったであろう製品でありながら、Ice Lakeが出なかったためにマーケットの影に消えていったものたちがいくつか見つかるかもしれません。

そんな待望のIce Lakeが登場する準備がついに整いました。今後、私たちは「極薄ノートPC」についてもつイメージを改める必要が出てくるでしょう。

Ice Lakeって何?

Ice Lakeとは、IntelのSunny Coveマイクロアーキテクチャに基づいた第10世代プロセッサの名称です。IntelのノートPC向け第10世代プロセッサにはどれもこの名称が用いられるでしょう。

処理速度とバッテリー効率が向上した、完全に新しいプロセッサ

Ice Lakeには10nmプロセスルールが採用されています。Intel製品では2014年以来14nmプロセスルールが採用されていますが、そうした製品に比べると格段に回路が小さくなっています(AMDやApple、Qualcommのチップに用いられている7nmプロセスルールよりは大きいのですが)。一般に、プロセスが小さいほど処理速度が向上します。データをそれほど遠くへ伝える必要がなくなるイメージですかね。それに伴ってデータを伝えるのに必要なエネルギーも小さくなるので、バッテリー効率も向上するという寸法。

Ice LakeはIntel初の10nmプロセッサではありません。昨年、IntelはCannon Lakeチップ「i3-8121U」を出していますが、これも10nmプロセスルールを採用しています(マイクロアーキテクチャは以前からあるSkylakeですが)。IntelのClient Compuing GroupシニアVPのGregory Bryantは米Gizmodoに、i3-8121Uは「少量生産」であり、Intelが10nm自体に慣れるために生み出されたのだと語っています。一方でIce Lakeは、完全に新しいマイクロアーキテクチャであるSunny Coveに基づいており、まったく新しいチップです(IntelはIce Lakeを10nm+と呼び、10nmとは呼称していません)。

電話取材の中で、IntelのフェローでありClient Architecture TeamのリーダーであるBecky Loopは「Ice Lakeは楽しくクールなもののひとつで、いちばん興味を惹く点は私たちが実際に何もかも変えてしまったところでしょう」と語っています。彼女が言いたいの、CPUを一から作り直した、ということ。「基本構造を変えました。どのIPコアにも手を入れています」と彼女は言っていました。

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最終更新:6/11(火) 20:14
ギズモード・ジャパン

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