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2020年4月(中小企業は2021年4月)から実施予定の「同一労働同一賃金」 すぐに「使える退職金」と「使えない退職金」について解説

6/11(火) 19:00配信

マネーの達人

ここ最近は新聞を読んでいると、非正規雇用(契約社員、パート、アルバイトなど)の、賞与や退職金に関するニュースを、よく見かけるという印象があります。

内容的には非正規雇用で働いていた方が、正規雇用の正社員と同じように、自分達にも賞与や退職金を支払って欲しいという訴えを、裁判所に起こしたというものです。

私がたまたま見つけた二つのニュースでは、裁判所は賞与や退職金の一部の支払いを、それぞれの元勤務先に命じておりました。

ただどちらのニュースについても、支払いを命じたのは高等裁判所だったため、判決に納得できない元勤務先が、上訴する可能性があります。

いずれにしろ非正規雇用に対して、退職金を支払うよう裁判所が命じたのは、かなりの驚きであり、おそらく初めてではないかと思います。

このような判決が出されたのは、2020年4月(中小企業は2021年4月)から実施予定の、「同一労働同一賃金」(同一の仕事をする労働者には、その雇用形態にかかわらず、同一水準の賃金を支払うというルール)が、影響していると考えられます。

そうなると裁判の行方にかかわらず、将来的には非正規雇用に対しても、何らかの退職金が支払われるかもしれません。

退職金の支払いは義務ではないため、約2割の企業は制度がない

労働基準法などの法律は事業主に対して、退職金の支払いを義務付けておらず、就業規則などに退職金を支払う旨を記載した場合のみ、事業主の義務になるのです。

厚生労働省が作成した平成30年就労条件総合調査の中にある、「3 退職給付(一時金・年金)制度」によると、退職給付(一時金・年金)制度がある企業の割合は80.5%になります。

このように退職金の支払いは義務ではないため、約2割の企業は制度がなく、そのうえ制度がない企業の割合は増えているのです。

また企業規模別の実施割合は、「1000人以上」が92.3%、「300~999人」が91.8%、「100~299人」が84.9%、「30~99人」が77.6%になっております。

そうなると企業規模が小さくなるほど、退職給付(一時金・年金)制度のない割合が多くなるようです。

2020年4月以降になって、同一労働同一賃金が普及していくと、正規雇用と非正規雇用の賃金格差は、改善されていくと考えられます。

ただ現状で正規雇用に退職金が支払われていなければ、賃金格差が改善されても、非正規雇用に退職金は支払われないという点には、注意する必要があると思うのです。

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最終更新:6/11(火) 19:00
マネーの達人

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