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[MOM619]拓殖大FW田中幸大(2年)_偉大な先輩小林悠の背中を追う

6/11(火) 18:07配信

ゲキサカ

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.2 関東2部第8節 拓殖大4-1東海大 東海大湘南]

 拓殖大はアミノバイタルカップで関東2部唯一となる8強に進出、総理大臣杯出場に王手をかけている。

 ルーキーイヤーの昨年、リーグ戦の出場はゼロだった。勝負を賭けた今季、スタメン出場は2試合にとどまり得点はゼロ。しかし3試合目のスタメンとなった今月2日の東海大戦は「いつもよりずっと気合が入っていました」とFW田中幸大(2年=東海大付属甲府高)は声を弾ませた。

 それもそのはず。田中は東海大の付属高出身で、「そのままだったら、東海大に進んでいたと思う」という特別な思い入れのあるチームだ。「高校時代のチームメイトも多い。自分は拓大に進んだからこそ、恩返しじゃないけれど」と、活躍を期して試合に臨んでいた。

 リーグ戦初ゴールのチャンスは前半23分。MF池田廉(4年=習志野高)が先制点を挙げて勢いづく拓大は、そのまま主導権を握ってサイドから攻撃を展開。DF筌口拓(4年=習志野高)がゴール前に送った、グラウンダーのクロスに田中が反応。そのまま左足を振り抜いてゴールに流し込んだ。「あのゴールは筌口さんのクロスがすべて」と笑うが、後半開始直後の2点目は狙いどおりの得点だった。

「あの時間帯は東海大が前がかりになっていたから、裏のスペースが空く。足元に動くふりして裏に抜ければGKと1対1になれる。そういうイメージが、自分の中にできていました。横にいた相手のコースを消すようにランニングをして、ファーストタッチもいいところで受けられたので、あとは流し込むだけ。GKは見ないで、気持ちだけで押し込みました」

 GKとの1対1やクロスに飛び込むプレーは得意だという田中らしい2ゴールで、3-0と東海大を突き放した。

 拓大への進学は自分から希望した。「拓大はしっかり下からパスをつなげてくるチーム。そういうサッカーの中でこそ自分は突破できるし、点を取る自信があった」。そんな田中を、かつてFW小林悠(川崎F)を育てた玉井朗監督は、「拓大には珍しいストライカータイプ」と評する。「ウチはパスを出したがる選手は多いんだけど」と苦笑いするように、拓大は伝統的に足元に技術のある選手は多いが、フィニッシュを決められるストライカーが少ない。逆にいえば、強力なフィニッシャーが活躍すれば昇格も狙える。

 小林悠という稀代のストライカーを擁した時代の拓大は、そうして1部昇格を実現させた。「体も強いし両足どちらでもシュートできる。そして練習のときからとにかくゴールを狙う」。指揮官の前で貪欲な姿勢を見せ続ける田中には、小林同様フィニッシャーとしての期待がかかっている。

 だが、まだリーグ戦初ゴールという“第一歩”を踏み出したに過ぎない。それでも「ここからがスタート。毎試合1点はとって得点王を目指したい」と語るその眼差しの先には、かつて拓大を牽引したストライカーの背が見えているはずだ。

最終更新:7/11(木) 17:25
ゲキサカ

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