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「気まぐれ」解散風はやんだのか 永田町の疑心暗鬼が消えない理由 例えるなら「恐怖の抜き打ちテスト」

6/13(木) 7:03配信

withnews

「風というものは気まぐれで、誰かがコントロールできるようなものではない」。安倍晋三首相がそう語る「解散風」は、吹いているのかいないのか。政治家がひしめく永田町では疑心暗鬼が尽きません。そもそも「解散風」って、どんな風?(朝日新聞編集委員・藤田直央)

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永田町の疑心暗鬼

安倍首相のこの言葉は5月末の経団連総会でのあいさつで出ました。トランプ米大統領とのゴルフの話から「風という言葉には今、永田町も大変敏感なんですが」とあえて言及。笑顔で「マスコミが聞いているので風の話はこれ以上はやめたい」と語りました。

夏の参院選が近づく中、最近になって複数のメディアが「衆院解散・衆参ダブル選は見送られ、参院選単独で実施」と報じました。とはいえ、野党の内閣不信任案提出などで国会が混乱すれば解散の引き金になりかねず、与野党がせめぎ合う永田町で疑心暗鬼は消えません。

例えば、もし安倍首相が6月26日までの今国会会期の大詰めで解散すれば、参院選とあわせて7月21日にダブル選ができます。

解散はちゃぶ台返し

そんな永田町界隈で、昔から吹いたり止んだりの「解散風」。まずその「解散」ですが、日本中の衆院議員465人を任期4年の途中で選び直すために、一斉に失職させることです。すべての衆院議員が一気に「クビ」宣告を受けます。

この解散は憲法に根拠があり、実際は内閣を率いる首相に権限があります。戦後に今の憲法が施行されてから衆院選は25回を数えますが、任期満了によるものは一度だけ。ほとんどが首相の解散による選挙です。

首相は衆院で多数を占める与党のリーダーが兼ねるのが基本ですから、衆院選で勝って政権を維持したい首相にとって、ちゃぶ台返しをできる解散権は「伝家の宝刀」と言われるのです。

「抜き打ちテスト」

では「解散風」が何かといえば、近いうちに首相がその伝家の宝刀を抜くのでは、と取りざたされる状態です。20年も政治記者をしていてこれをどう説明するか、今も難儀するのですが、たとえをひねり出してみました。恐怖の抜き打ちテストです。

「永田町大学」では卒業は4年間の成績次第という建前なのですが、2~3年に一度の抜き打ちテストで赤点を取ると退学という習わしがあります。テストはいつあるのだろうと学生たちは教授の顔色をうかがい、言葉に耳を澄ませます。

教授が「そろそろかな」なんて言うたび講義は締まりますが、学生たちは気が気ではありません。テストに備える日々に疲れた学生たちが「早くやってください」と騒ぎ出さない程度にしないと「オオカミ中年」になる、とも教授は考えます。

「そんなひどい大学あるか」などなどのつっこみが来そうですが、一寸先は闇の政界の厳しさを伝えるためということでご容赦願いつつ、ここから本題の「解散風」について説明します。

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最終更新:6/13(木) 7:03
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