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夫の会社が妻の会社の育児支援にタダ乗り―カネカショックで露呈した現実

6/12(水) 12:11配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

育休復帰直後の男性に転勤を命じたのはパタハラか ― 。

夫側が育休明けすぐに転勤を命じられたとしてこれは「見せしめではないか」と批判を浴びていたカネカは、6月6日に会社ホームページで公式見解を発表し、対応に問題は無いとした。

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筆者は15年以上、共働き家庭を取材してきた。カネカの事例は仕事と家庭を巡る日本の常識を変えるきっかけになると思い、注目している。

特に大きな変化を感じたのは、当事者であるご夫婦とメディア・世論である。また、こうした社会規範の変化についていけていない企業の実状が浮かび上がったところも興味深い。

今回、多くのメディアや性別を問わず有識者が会社に対して批判を寄せたのは、法的な観点からではない。男性も自らの選択に沿って家庭参加できることが望ましい、という価値観が共有されつつある中で、新しい社会規範を理解しない会社のありようが時代遅れとみなされたからである。

この点、適法性に焦点を絞ってホームページで理解を求めた会社とは認識のずれが生じている。

「もう帰るの?」と上司から嫌味

ところで、パタハラは今に始まった話ではない。以下は私が取材した事例だ。

ある大手銀行の元男性社員は、産後の体調がすぐれなかった妻をサポートし家事育児をするため残業せずに帰宅していたところ、その状況を知っていた上司からねぎらいの言葉をかけられるどころか、あからさまに「もう帰るの?」と嫌味を言われたそうだ。

予定されていた海外赴任が立ち消えになったこともあり、この男性は同業の外資企業へ移った。転職先は厳しい成果主義である一方、家族の必要があれば早く帰るのは当たり前という文化があり、非常に働きやすいと話していた。

ちなみにこの男性の上司はワーキングマザーだった。

他の業種でも育休を取った男性が「帰ったら君の席はないと思った方がいい」と言われた事例など、数えきれないほどパタハラの事例を聞いている。

男性が育休を取得しない理由としては「言い出しにくい」とよく耳にする。実際に起きているパタハラ事例を知れば、理解できる。

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最終更新:6/12(水) 18:05
BUSINESS INSIDER JAPAN

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