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【特集】すい臓がんの新治療のための臨床試験費用を何とかしたい...教授の選択は「クラウドファンディング」

6/12(水) 14:40配信

MBSニュース

いまや日本人の2人に1人が生涯1度はなるとされる「がん」。その中でも特に余命が短いのが、すい臓のがん「膵がん」です。その膵がん患者の余命を大幅に伸ばすことができる可能性がある治療法の開発が、いま窮地に立たされています。

すい臓がんの進行のひとつ「腹膜転移」とは

膵がん患者の井上奮起男さん(74)。「腹腔内投与」と呼ばれる抗がん剤を用いた治療法の臨床研究に参加し、今も関西医科大学病院で治療を受けています。

「体重はどうなりました?」(関西医科大学 里井壯平教授)
「今は55キロです」(井上奮起男さん)
「前回に比べると3キロアップですね。非常に安定してきたと思います」

すい臓にできるがんの膵がんは、患者数にするとすべてのがん患者の4%ほどと決してメジャーながんではありませんが、5年生存率は7.7%とすべてのがんの中でも圧倒的に余命が短いのが特徴です。

さらに膵がんはお腹の中で臓器を包んでいる膜、腹膜に飛び火のように転移する「腹膜転移」という状態になる傾向があります。

「腹膜に転移を持っておられる患者さんは、痛みがあってごはんが食べられない。だんだんやせ衰えてきて、その生存期間っていうのが約2か月から8か月と報告されているんですね」(里井壯平教授)

膵がんの場合、血液内に抗がん剤を投与する治療が標準的ですが、小さながんが点々とできる腹膜転移が起きると、効果が下がってしまうといいます。

「腹膜転移はおなかの中でがんが広がっているわけで、血管の中に抗がん剤が入ったとしても腹膜に到達するまでに非常に時間がかかり、濃度が低いということが報告されています」(里井壯平教授)

お腹の中に直接抗がん剤を投与する新治療法

そこで考案されたのが腹膜、つまりお腹の中に直接抗がん剤を投与する「腹腔内投与」という治療法です。

(医師)「じゃあ針入れますので、ちょっとチクッとします」

抗がん剤が入った生理食塩水1リットルを腹膜の中に入れます。この点滴を週1回、2週間続けて1週休むというサイクルで繰り返します。

(看護師)「痛みないですか?」
(井上さん)「大丈夫」
(看護師)「続けるよ。あと30分で終わりますのでね」

点滴は約2時間。これまでの研究で生存期間が大幅に伸びたほか(2~8か月→16か月(中央値))、がんが広がりすぎて手術ができないと言われていた33人中8人の患者が、手術ができる状態にまで回復したといいます。

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最終更新:6/14(金) 17:25
MBSニュース

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