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東京駅の中央線ホームが「上」にあるワケ 在来線だが「きっかけ」は北陸新幹線

6/12(水) 6:05配信

乗りものニュース

かつては「下」のホームを発着

 JRの東京駅は西と北へ延びる新幹線のターミナルであり、ほかにも東海道線や山手線、京浜東北線など多数の通勤路線が乗り入れています。ホームの数も多く、地下に建設された京葉線や総武・横須賀線のホームを除いても、地上に10個のホームと20本の線路が設置されています。

【表】こう変わった! 東京駅のホーム

 これらのホームは東西に並んでいますが、中央線の列車が発着する1・2番線ホームだけは、3・4番線ホーム(京浜東北線北行と山手線内回り)の上を通る高架橋に設置されています。かつては下にある現在の3・4番線ホームが中央線のホームでしたが、ある事情から高架ホームを建設して移設したのです。

 現在の東京駅が開業したのは1914(大正3)年ですが、このときは在来線のホームが赤レンガの駅舎がある西寄り(丸の内)に4つあるだけ。東寄り(八重洲)には車庫が設けられていました。このうち赤レンガの駅舎に一番近いホーム(現在の3・4番線ホーム)が、中央線のホームとして使われていました。

 その後、東京駅に乗り入れる列車が増えるのにあわせ、車庫の敷地を転用する形でホームが増設されていきます。1991(平成3)年に東北・上越新幹線の乗り入れが始まったころには、丸の内寄りから次の通りに並んでいました。

・旧1・2番線ホーム 中央線
・旧3・4番線ホーム 京浜東北線・山手線
・旧5・6番線ホーム 山手線・京浜東北線
・旧7・8番線ホーム 東海道線
・旧9・10番線ホーム 東海道線
・旧12・13番線ホーム 東北・上越新幹線
・14・15番線ホーム 東海道・山陽新幹線
・16・17番線ホーム 東海道・山陽新幹線
・18・19番線ホーム 東海道・山陽新幹線
※11番線は欠番

新幹線のホーム不足を「玉突き」で解消

 これに先立つ1989(平成元)年、北陸新幹線(長野新幹線)の高崎~軽井沢間が着工。1991(平成3)年には軽井沢~長野間も着工し、1997(平成9)年の長野までの開業を目指して工事が進められることになりました。しかし、ここで問題になったのが東京駅の「ホーム不足」です。

 長野新幹線の列車も東京駅に乗り入れて長野に直通することになっていましたが、JR東日本が東京駅に設けている新幹線用のホームはひとつだけ。このホームを東北新幹線と上越新幹線の列車がすでに使っており、さらに長野新幹線の列車も発着させるのは困難だったのです。

 この問題を解決するためには、根本的にはホームを増やすしかありません。しかし、この時点で車庫の敷地はすでに使い切っていました。従来通り東西に並べるような形でホームを増設するなら、その分土地を買収しなければなりません。駅の周囲は地価が高くビルが密集しており、膨大な費用がかかるうえに工事期間も長くなってしまいます。

 そこで考えられたのが、ホームを「東西」ではなく「上下」に並べること。1992(平成4)年から工事が始まりました。

 まず、中央線が発着していた旧1・2番線ホームの上に高架橋を建設。ここに新しい1・2番線ホームを設置し、1995(平成7)年に中央線を移設しました。これにより旧1・2番線ホームが空いたことから、旧3・4番線ホームを使っていた京浜東北線北行と山手線内回りを旧1・2番線ホームに移設。さらに旧3・4番線ホームには旧5・6番線ホームを使っていた山手線外回りと京浜東北線南行を移設……というように、在来線の線路を丸の内寄りに順次、「玉突き」で移転していったのです。

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最終更新:6/12(水) 17:41
乗りものニュース

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