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卸物流費 やはり17年から急騰 背景に人手不足と荷主規制

6/12(水) 7:02配信

食品新聞

日本加工食品卸協会(日食協)がこのほど結果を公表した17年度(17年4月~18年3月)の関東地区物流コスト実態調査で、常温加工食品1ケース当たりの卸物流費が前の年度に比べ7.1%増加していたことが分かった。17年度は物流労働需給の逼迫を背景に運送業者から荷主への値上げ要請が加速した時期に当たり、食品卸の業界数値にもその影響が如実に表れた格好だ。

同調査は日食協関東支部が有力会員卸3社(三菱食品・日本アクセス・加藤産業)の関東地区実績をサンプルに毎年実施しているもの。それによると、17年度は平均ケース単価が3.3%増(2千353円)と4年連続で上昇したものの、1ケース当たりの物流費が7.1%増(108.7円)と急激に伸び、ケース単価に占める割合が広がった(0.16ポイント増/4.62%)。

物流費の項目別内訳はデータ処理費20.4%減(3.9円)、設備費1.4%減(20.4円)、流通加工費12.0%増(38.3円)、配送費10.3%増(46.0円)。管理業務の見直しや拠点集約によってデータ処理費と設備費を引き下げつつも、荷役・配送コストの増加を吸収できない状況となっている。

その背景にあるのが17年に一段と深刻化したトラックドライバーと庫内作業員の不足だ。ヤマト運輸はこの影響で同年10月に27年ぶりに宅急便運賃の値上げを実施。その概要が同年4月に発表されると、同様に人手不足に喘ぐ運送業者から荷主への値上げ要請が加速した。

加えて17年にはトラック運送業者の待遇及び生産性の向上を目指す国土交通省の荷主規制が本格化(荷待ち時間の記録義務づけ、荷主勧告制度の運用強化、運送下請ガイドラインの強化改正など)しており、このことが荷主のコスト環境変化につながった面もある。

トラックドライバーを含む自動車運転職業の有効求人倍率は17年12月に3倍を突破し、その後も高止まりで推移している。同年を起点とするコストアップが長期化する可能性はきわめて高く、荷主サイドには共同配送による積載率改善などの生産性向上策が今まで以上に強く求められる。食品ロスの削減や下請取引適正化の文脈で始まった商慣行の見直し(リードタイムの延長、納品期限の緩和など)が物流トータルコストの抑制につながる部分も多く、今後はこうした議論にもさらに拍車がかかりそうだ。

最終更新:6/12(水) 7:02
食品新聞

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