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運営の三セクが撤退要望 市立の宿泊施設 赤字経営が原因で/兵庫・丹波篠山市

6/12(水) 11:41配信

丹波新聞

 兵庫県丹波篠山市河原町の宿泊施設「王地山公園ささやま荘」を指定管理者として運営している第三セクターの株式会社「アクト篠山」が、今年8月末をもって指定管理の契約解除を求める要望書を市に提出したことが6日、市や同社への取材で明らかになった。同施設は以前から赤字経営が続いており、今年4月には宿泊と入浴を休止。同社によると、飲食部門のみで再出発を切ったが、顧客の減少が続いており、赤字を食い止められておらず、残り1年9カ月の指定管理期間を待たずに早期に撤退する方針になったという。

 同施設を巡っては5月に同社が市に対して、施設の今後のあり方を検討する会の立ち上げを打診。準備会を開き、7月1日に検討会を発足させることを確認しており、市は検討会に要する関連予算を開会中の市議会に上程している。

 そんな中、今月3日、同社が契約解除を要望。要望書では、多額の累積赤字を計上しており、不採算部門の入浴、宿泊を休止し、飲食部門のみの営業形態に移行したものの、「事業縮小を伝えた新聞報道が、施設自体が営業を休止したという誤解を招き、予想以上の売り上げ減少につながった」とした。

 同施設の損失が、同社の他部門にまで影響をもたらしかねないことから、このほど開いた株主総会で撤退を決めたという。

 同施設は1963年に国民宿舎としてスタート。市営期間を経て、一度は閉館し、2001年に市が4億5000万円をかけて改修。その後、02年から同社の前身「クリエイトささやま」が管理・運営し、10年からは同社が指定管理者として運営しており、21年3月までが指定管理期間となっている。

 指定管理料はなし。また、同社は売り上げから計約2億1500万円を市に納付しており、市は改修時の市債償還や、観光まちづくり基金に積み立て、施設の部分改修費用などに使用してきた。

 しかし、施設の老朽化が進む中、11年度に約10万人だった利用者は、18年度には約6万人にまで減少。11年度から18年度までの期間、営業利益は常に230万円―2440万円の赤字。利用客の減少がさらに進んでいることで今年度の見込みでも約1790万円の赤字を想定している。

 同社は大正ロマン館(同市北新町)なども運営しており、13年度まではささやま荘の赤字を他事業で補っていたが、以降は膨らみ続ける赤字を補完しきれず、事業全体で赤字に陥っている。昨年度は1418万円の赤字だった。

 同社は、取材に対し、「以前から赤字だったが、宿泊・入浴休止後も予想以上の赤字が続いており、これ以上、運営を続けては、会社全体が持たなくなると判断した。大正ロマン館などの他事業や社員を守るためにも苦渋の決断だった」と説明した。

 同社からの要望を受け、現在、市が対応を検討している。酒井隆明市長は、「状況を考えると、無理に続けてほしいとは言えない」とし、「いずれにせよ、あり方検討委員会で施設の今後を考えたい」とした。

最終更新:6/12(水) 11:41
丹波新聞

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