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大英博物館の「マンガ展」。海外では最大規模、賛否両論の現場に行ってみた

6/12(水) 11:41配信

ハフポスト日本版

イギリス・ロンドンの大英博物館で、海外では最大規模となる日本の漫画を紹介する「マンガ展」が開催されている。古代文明の宝庫である博物館で、まだ歴史の浅い漫画を大々的に特別展示で扱うことは如何なものか…など、現地でも賛否両論を巻き起こしている今展。美学研究者で、『美術館とナショナル・アイデンティティー』の著者でもある吉荒夕記さんが、実際に展覧会に足を運び、その感想を寄せた。

ギリシャ神殿のような博物館のファサードに巨大な縦長の看板。黒い背景色に漫画『ゴールデン カムイ』のヒロインの横顔が際立ち、「マンガ」というカタカナ文字がオレンジの蛍光色で目をひく。

ここは、ロンドンの大英博物館。海外では最大級と謳われる漫画の展覧会が始まった。

この博物館の特別展示室は大小含め少なくとも5箇所はあるが、「マンガ展」は博物館が肝いりの展覧会に使う、最大の特別展示室が使われた。

これまでの日本関係の展示━「人間国宝展」や「北斎展」など━でも使ったことのない展示室であり、それを使うというだけで、大英博物館としていかに力が入っているか伺える。当然、展示点数も多く、手塚治虫、赤塚不二夫、萩尾望都、鳥山明、こうの史代、谷口ジロー等、50人の作家による約70点の作品(その多くは原画)が一挙に集められた。

大展示室は、100メートル平方程の大きさがあり、長方形の形状をしているのだが、全体を見渡してわかるのは、初めての大規模展に相応しく、漫画とは何かを総括的に俯瞰していることだ。次のような構成にも、その主旨が表れている。

表現としての漫画を紹介するイントロダクション
日本の漫画史 
いかに消費されるか-書店やコミケ 
テーマの多様性 
融合する漫画-アートやゲーム
スタジオ・ジブリ
もちろん、日本のミュージアムにはない視点もいくつかあった。

まず、イントロダクションで、漫画の読み方が示されていること。例えば、漫画のコマは右から左へ読むこと(左から右に書かれるアルファベットの文化圏からは読む時の引っ掛かりになる)、擬音語や擬声語、あるいは感情が、ヴィジュアルで伝えられることとその凡例(渦巻き模様は早く走っていることを意味するとか)。

次に、漫画という文化がいかに日本社会に浸透しているかを示していること。『ゴルゴ13』を使った外務省のポスター、漫画のキャラクターを使った鉄道のポスター、実写と漫画を組み合わせたパラリンピックの広告映像などなど。漫画はジャンルではなく、もはやメディアだということを再認識した。

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最終更新:6/12(水) 11:41
ハフポスト日本版

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