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「若者がつくる未来がみたい」ブロックチェーンの小さな経済圏とは?

6/12(水) 22:00配信

CoinDesk Japan

若者たちがつくる未来に投資して「参加権を払いたい」

ブロックチェーンを使った一般向けのサービスづくりはまだ時期尚早なのだろうか。家入氏はこうも語る。

「まだブロックチェーンは黎明期だと見ていて、アプリケーションレイヤーや社会実装みたいなところでやるべきことはたくさんあると思います。経営者としての自分をふり返ってみると、テクノロジーとして普及した時期では『もう遅い』ということもあり得るので焦りも、もちろんありますね」

家入氏は、自身にも見えない部分があることを謙虚に認める。

「たとえば10代、特に高校生の起業家で、ブロックチェーンを使ったサービスつくりを目指す優秀な子たちがたくさん出ていて。実はもう、彼らと僕とは本当にはわかり合えなかったりするんですよね。たとえば若者たちに『メッセージのやり取りには何を使ってる?』って聞くと、『インスタのDMしか使ってないです』と言っていて。おっさんからするとインスタって写真をあげるサービスだよね、みたいな。『なんでわざわざインスタでDMするの?』と聞くと、『いやかっこいいから』みたいな。もう全然わからないんですよ(笑)」

家入氏が見えていない世界は、若い世代につくってほしいと話す。

「わからないから、あとは頑張ってねという話ではなく、自分も学ばせてもらおうという気持ちはとてもあって。そういった意味でも現在は、いま『NOW』というVCで投資をしていて、それは若い子たちが実現する世界を僕が見たいから。投資は僕にとって、彼らみたいな次世代が描く世界に、お金を出して参加権を払っている気持ちがとてもあります。逆にいままで経営してきた時間や、培ってきたつながりなど、上の世代だからこそ提供できる機会みたいなものはきっとあるはずなので、僕が上の世代から受けた恩を下につなげていこうと意識していますね」

次の世界をつくる意義は大きい。今後の日本には、民間から社会を支える仕組みが不可欠になるからだ。

「これから先、少子高齢化でますます経済が小さくなるはず。すると税収も減っていって、きっとあらゆるセーフティネットが崩壊していくと思っています。そのときに民間からどういう場所をつくっていくかということがとても大事。豊かさは実現したけど未来を描けてない“課題先進国”とも呼ばれる日本は、次にどう生きていくかという新しいモデルをつくっていく上で、世界の中でもやりがいのある場所だろうなと。それを実現するためにブロックチェーンの持つ非中央集権的な思想や、自律分散型のテクノロジーは必要不可欠だと思っています」

家入氏はテクノロジーが次の社会をつくっていくと考える。

「資本主義が国家と紐付いて大きくなってきたものだとすれば、国だったり会社だったりに縛られずに、所属する経済圏を自分で選択できる世界にしていきたい。ただ、インターネットが出てきて境界が曖昧になった国家がいま、もう一度体をなそうと輪郭をはっきりさせようみたいな方向に向かっています。この流れは当分続くかなと思っていますが、でもテクノロジーはそれを止めることはできない。その力を信じて、新しい経済圏、新しい世界をつくることを模索していきたいですね」

構成:弥富文次|編集:久保田大海|写真:多田圭佑

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最終更新:6/12(水) 22:00
CoinDesk Japan

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