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質高い芸術文化施設必要 金沢歌劇座検討懇が初会合

6/12(水) 1:14配信

北國新聞社

 金沢歌劇座あり方検討懇話会の初会合が11日、金沢市役所で開かれ、将来的な建て替えを視野に入れた有識者による議論が始まった。委員は、まちなかに質の高い芸術文化施設が必要との認識で一致し、現状では舞台、客席とも質が高いとは言えないとの意見が多く出された。10月ごろと年明けの会合を経て年度内に意見を取りまとめる。

 下本多町に位置する金沢歌劇座は1962(昭和37)年に本館が竣工(しゅんこう)し、2度の耐震補強を含めてこれまで4度の改修を重ねてきた。収容人数はホールとしては県内最大の1919人となっている。

 市が設置した懇話会は、芸術、文化、建築などの有識者10人で組織する。

 座長に選ばれた谷口吉郎(よしろう)・吉生(よしお)記念金沢建築館長の水野一郎氏が、建て替えか機能強化か議論の方向性を確認したのに対し、委員からは「小手先の改修では諸課題は解決できず、建て替える必要がある」「昭和35年の設計であり、ベースは芝居小屋」などの意見が上がった。改修で済ませるべきとの主張はなかった。

 収容人数については、県内最大規模は維持するべきだが、大幅に増やすのは現実的ではないとの意見が出され、水野座長は建築家の立場から「舞台と客席が30メートル以上離れると(鑑賞環境の)質は落ちる」と指摘した。規模を維持して常時使われるあり方が金沢らしいとの声もあった。

 別の委員は、客席数を保って鑑賞環境を改善するのがあるべき姿だとした上で「建て替えなら自由な設計が可能になる」と述べた。建て替える場合には、隣接する金沢ふるさと偉人館を移転して敷地を拡大してはどうかとの意見も出た。

 歴史文化ゾーンに位置する立地に関し、金沢歌劇座次第で回遊性が大きく変わるとの指摘もあった。市民が芸術文化に触れる場であり、伝統芸能の発表の舞台であることを考慮するべきと主張する委員もいた。

 冒頭、事務局の市側は将来的な方向性として山野之義市長が建て替えに言及したことを説明し「(建て替えの場合は)100億円を超える事業費が想定され、財源確保の面からも十分に時間をかけて議論していきたい」とあいさつした。

 金沢歌劇座を巡っては、市が昨年度に機能強化検討懇話会を設置。調査検討結果を基に、今年度、あり方検討懇話会を設けた。

北國新聞社

最終更新:6/12(水) 1:14
北國新聞社

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