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ANA、777F貨物機お披露目 日本初導入、北米への輸送強化

6/13(木) 17:43配信

Aviation Wire

 ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下の貨物事業会社ANAカーゴ(ANA Cargo)は6月13日、ボーイング777F貨物機の初号機(登録記号JA771F)を羽田空港で報道関係者に公開した。日本の航空会社が導入した初めての777Fで、7月からアジア路線のほか、10月からは北米路線にも投入する。

◆貨物搭載で9000キロ以上飛行

 大型の777Fは旅客機の777-200LRを母体に開発された貨物機で、全長63.7メートル、全高18.6メートル、全幅64.8メートル。客機の客室にあたるメインデッキの左側後部には、3.7メートル×3.1メートルの大型ドアを設け、貨物の搭降載をしやすくしている。

 エンジンは777-200LRと同じ米GE製GE90-115Bを2基搭載。搭載重量は10万2010キロ(102トン)で、貨物を最大に搭載した場合の「実用航続距離」は9070キロとなる。ANAカーゴは現在、中型の767Fを12機運航している。767Fの搭載重量は5万1660キロ(51トン)、実用航続距離は6056キロで、搭載重量は倍近く増加し、実用航続距離は3000キロ以上伸びる。

 航続距離が伸びることで、777Fによる北米への貨物直行便を運航できるようになる。これまで北米への貨物は、旅客機の貨物室(ベリー)を活用して輸送していた。

 ANAカーゴは現在、12機の中型貨物機を運航中。4機が新造機の767-300F、8機は全日本空輸(ANA/NH)が旅客機として運航していた機体を貨物機に転用した767-300BCF(ボーイング・コンバーテッド・フレーター)となる。777Fは初号機を含め2機の導入を予定し、輸送力の強化を図る。

◆自動車や競走馬も可能に

 貨物室の高さは、767Fが244センチに対し、777Fは300センチとなり、約1.2倍に拡大。767Fでは搭載できなかった20フィート(約6メートル)のコンテナも搭載できるようになる。床の一部には、ベルトで固定しなくても積み荷が動かないセンターローディング用の専用ロックも備える。

 767Fと比較し貨物室が拡大したことにより、航空機エンジンなど大型貨物も輸送できるようになる。これまで5台まで積み込めた自動車は、777Fでは9台まで可能となり、ピックアップトラックのようなSUV(スポーツ用多目的車)も運搬できるようになる。自動車は輸出用途ではなく、現地での試験や宣伝用に持ち込むもので、小口での輸送を想定する。

 このほか、液晶パネルなどの製造装置など大型貨物のほか、溶剤やインクなどの危険品、血液や医薬品などの温度調整が必要な貨物、競走馬なども運べるようになった。

 座席は操縦席を含め、機内前方に10席設ける。コックピットは2席、ジャンプシートも2席備えるほか、精密機械や競走馬などの輸送時に荷主や輸送管理者が同乗するための座席4席も設置。荷主などをサポートするANAカーゴ社員用の2席も備える。旅客機ではないため、客室乗務員は搭乗しない。

 また、北米など長距離を飛行することから、コーヒーメーカーやオーブンなどを備えたギャレー(厨房設備)も装備する。

◆初号機は「BLUE JAY」

 ANAカーゴの777F初号機は現地時間2018年12月5日に引き渡され、フェリーフライトのNH9399便は、米ヴィクターヴィルのサザン・カリフォルニア・ロジスティクス空港を5月23日午後6時30分に出発し、同37分に離陸。羽田には翌24日午後9時54分に着陸し、同10時に205番スポット(駐機場)へ到着した。

 初号機には愛称を命名。北米に生息する青い翼の鳥・アオカケスを意味する「BLUE JAY(ブルージェイ)」と名付け、貨物ドア近くの機体左側後部にデザインした。

 最初の路線は、7月2日に新設する成田-関空-上海-成田路線。週6片道のうち、成田を火曜から金曜と土曜に出発する便を777Fで、月曜発を767-300Fまたは767-300BCFで運航する。冬ダイヤ初日の10月27日からは、成田-シカゴ線に投入を計画している。

Yusuke KOHASE

最終更新:6/13(木) 17:43
Aviation Wire

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