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四角が丸に見えるのは、脳の思い込み? 世界1位の識者が語る“立体錯覚アート”の世界

6/13(木) 6:30配信

オリコン

 たびたびSNSなどで話題になる“だまし絵”や、錯覚を利用した不思議な図形。止まっているのに動いて見えたり、真っすぐなのに曲がって見えたり、みる人によって全然違った色に見えたり、世の中にはさまざまな“錯視”がある。そんな錯視を世界的にコンテストする『ベスト・イリュージョン・オブ・ジ・イヤー』2018年優勝者である明治大学の研究特別教授、工学博士の杉原厚吉さんに、杉原さんの研究する「立体錯視」の魅力について聞いた。

【写真】屋根の形が、鏡に映すとギザギザ! どう見ても正解がわからない「立体錯視アート」杉原厚吉先生作品集


■立体錯視とは、脳がもたらす錯覚「ありそうな形を勝手に思い浮かべてしまう」

――先生が立体錯視の研究を始めたのはいつ頃ですか? また、研究をはじめたきっかけを教えてください。

【杉原教授】研究を始めたのは、1970年代の後半です。大学院を出て、国立の研究所(現・産業技術総合研究所)に就職したとき、ロボットの目を開発する研究グループに配属されました。そこで、写真や絵から立体を読み取る情報処理の方法を研究しているうちに、“不可能図形”と呼ばれるだまし絵の中に、立体として作れるものがあることを見つけ、立体錯視の分野に興味が広がりました。

――だまし絵から想起したものだったのですね。丸く見えていたものが、鏡を通すとギザギザに見えるなど、立体の錯視は、なぜ起こるのでしょうか?

【杉原教授】網膜に写る画像には、奥行きの情報がありません。そのため瞳から見えたものをもとに、脳がそこから奥行きを読み取ろうとして「この立体はこういうものだ」とありそうな形を勝手に思い浮かべてしまうのです。“立体錯視”は、それが実際と異なるときに起こります。

――実際に『立体錯視アート』と呼ばれているようですが、アートとしてとらえたくなるほど、視覚的に面白いですよね。立体錯視の魅力はどんなところにあると思いますか?

【杉原教授】“あり得ない現象が目の前で起っている”という状況を作り出せることですね。本当の立体の形を理性で理解していても、特別な視点から見ると起こるものもあれば、至近距離で両目を使って見ても起こる、両眼立体視が役に立たないほどの強いものも存在するなど、“錯視”はとても奥が深いものなんです。

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最終更新:6/15(土) 23:25
オリコン

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