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JDI、浮上のきっかけいまだ 白山工場休止、茂原は組み立てライン閉鎖

6/13(木) 7:16配信

SankeiBiz

 経営再建中の液晶大手ジャパンディスプレイ(JDI)は12日、月崎義幸社長(59)が9月末で辞任すると発表した。同社は併せて1200人の希望退職募集や、スマートフォン向け液晶パネルを製造する白山工場(石川県白山市)の休止を柱とする構造改革も公表した。

 JDIは、中国と台湾の企業連合傘下で再建を進める方針だが、スマホ向けの販売は依然として苦戦しており、浮上のきっかけをつかめていない。

 ◆後任に菊岡常務

 月崎氏の後任には、菊岡稔常務執行役員(56)が就任。空席の会長には橋本孝久社外取締役が就く。月崎氏は代表取締役としては残る。

 また、月崎氏の60%をはじめ、役員の月額報酬を7月から12月まで一部返上する。管理職は夏季賞与の25~50%、一般社員についても約15%をカットする。

 希望退職は、7月29日から8月27日まで募る。退職日は9月末。来年3月末時点で40歳以上の社員が主な対象だが、白山工場などの従業員については年齢制限を設けない。

 このほか、中国の販売子会社で数十人を削減。関連会社で有機ELパネルの開発・販売を手掛けるJOLED(ジェイオーレッド)への出向者についても、100人以上を転籍させる方向で協議中という。計画通りに削減されれば、国内従業員は6月1日時点の4635人から4分の1以上減ることになる。

 一方、稼働率が低下している白山工場は7月から9月末まで休止して固定費を削減。茂原工場(千葉県茂原市)も組み立てラインを閉鎖する。白山の再稼働は9月末までに判断する。

 ◆年200億円コスト減

 構造改革に伴い、今年7~9月期に約90億円の特別損失を計上する。また、白山工場について今年度中に400億~500億円の減損損失を計上したり、補助金返済などで100億~200億円の負担が発生したりする可能性があることも明らかにした。一方で、年200億円のコスト削減が見込めるとしている。

 JDIは中台連合から最大800億円の支援を受ける予定。今回の構造改革は、支援を前提として打ち出した。

 ただ、中台連合の支援については、14日までに機関決定するとJDI側に通知されているものの、予定通り実施されるか予断を許さない状況だ。今期に6年連続の最終赤字となる可能性が高まる中、再建は正念場を迎えている。

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【プロフィル】菊岡稔氏

 きくおか・みのる 東大卒。1986年日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)。2017年ジャパンディスプレイ。執行役員などを経て19年5月から常務執行役員。東京都出身。月崎義幸社長の処遇は未定。10月1日就任。

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 ■JDI経営再建策のポイント

 一、月崎義幸社長は9月30日付で引責辞任。後任は菊岡稔常務執行役員。

 一、国内で早期退職者1200人を募集。5月時点から200人拡大。

 一、スマートフォン向け製品を生産する白山工場を7~9月に休止。再稼働せず閉鎖も検討。

 一、茂原工場の一部工程を9月に閉鎖。

 一、白山工場の資産価値切り下げで、2020年3月期連結決算で最大500億円の損失を計上する可能性。

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【用語解説】ジャパンディスプレイ(JDI)

 国産技術の存続と競争力強化を目的に、日立製作所、東芝、ソニーの中小型液晶パネル事業を統合し、2012年4月1日に発足した。政府系ファンド、INCJ(旧産業革新機構)が筆頭株主で、14年3月に東京証券取引所第1部へ上場した。主力のスマートフォン向けパネルの競争激化や主要顧客米アップルの需要低迷で、19年3月期連結決算は最終損益が5年連続の赤字となった。業績回復に向けて中国と台湾の企業連合傘下に入り、スマホ向け部門を分社化する方針。

最終更新:6/13(木) 7:16
SankeiBiz

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