ここから本文です

麻生さん…「老後2000万円」はやっぱ赤字でしょ? 老後のライフスタイルを確認する重要性

6/13(木) 8:01配信

マネーの達人

今般、国が作成した資料について大きく報じられ、テレビをはじめさまざまなメディアで話題となっています。

報道内容と世間の反応

報じられたのは、金融審議会市場ワーキング・グループ(座長:神田秀樹 学習院大学大学院法務研究科教授)の5月22日付報告書(案)と、6月3日付報告書の内容についてです。

金融審議会とは、大学教授などの学識経験者などで組織された諮問機関です。

また、その事務局は金融庁であり、今回の報告書(案)といった資料を作成しています。

この資料のうち、話題に上がったのが、

高齢夫婦無職世帯は毎月約5万円の赤字が発生することから、老後30年間を過ごすためには約2,000万円の資産を取り崩す必要がある
といった記載内容です。

これを受け、ワイドショーでは、街の声として「それを政府がなんとかしろ」といった怒りや戸惑いの声を紹介し、大きく話題となりました。

この騒動が大きくなったことから、所管大臣である麻生太郎氏は、6月7日の会見で、「豊かに暮らす」ためには月5万円足りないけれども、赤字という表現は不適切だったという趣旨の説明をしました。

「毎月約5万円赤字」の中身

この「毎月約5万円の赤字」の根拠は何なのか、当該報告書を読んで確認しました。

この中では、次のグラフが示されています。

実収入20万9198円に対して、実支出26万3718円であることから、約5万円の赤字であるということです。

この図の出所は、第21回ワーキング・グループの厚労省作成資料であると記載されています。

その資料を確認すると、この図は、総務省の2017年度家計調査のデータをもとに作成されたことがわかります。

参照:金融審議会市場ワーキング・グループ(第21回)厚生労働省提出資料P.24(pdf)

家計調査を通じて明らかになった、高齢夫婦無職世帯の平均的な支出額が、月約26万円ということです。

これはあくまでも平均なので、ご自身のライフスタイルに照らして、これだけの支出が必要なのかどうか、考えてみると良いかもしれません。

総務省統計局HPによると、グラフ中の「その他の消費支出」とは理美容費・日用品費・交際費等を、「非消費支出」とは税金や社会保険料を指しています。総務省統計局「家計調査 収支項目分類一覧」

この平均値では「教養娯楽」と「その他の消費支出」に合計約8万円を使っていることから、確かに「豊かな暮らし」と言えるかもしれません。

一方で、平均値では「住居」に係る支出が1万円強に抑えられています。

市街地での賃貸暮らしを予定されている方は、平均値にかかわらず、その地域の家賃相場を見込んでおく必要があります。
 
肝心の収入の方については、平均値では「社会保障給付」を二人で約19万円受給しています。

これは、基礎年金のみならず厚生年金なども含まれた額ですので、長く自営業を続けてこられた方などは、これより低くなることが考えられます。

2017年度の老齢基礎年金の満額支給で月額約6万5000円でしたので、夫婦二人とも基礎年金のみだと約13万円です。

しかし、この年金額は毎年改定され、少子高齢化が続くうちは、緩やかに低下していくと考えられます。

1/2ページ

最終更新:6/13(木) 8:01
マネーの達人

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事