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2歳児を救う網、機能せず 関係機関、甘い認識や連携不足

6/13(木) 17:51配信

北海道新聞

多くの「穴」 機会を逃す

 札幌市の池田詩梨(ことり)ちゃん(2)が衰弱死した事件の発覚から13日で1週間。全国で相次ぐ虐待事件を受け、張り巡らされたはずの子供を救済する「網」には多くの「穴」があった。関係機関の情報共有不足や認識の甘さ、待ちの姿勢。いくつもが重なり、幼い命を救うチャンスを逃した。

【動画】容疑の母 浮かび上がる孤立 札幌2歳衰弱死

「信頼関係がなければ、救える命も救えない」

 「なぜ連絡がなかったのか、本当に分からない」。札幌市児童相談所から夜間と休日の虐待通告について、子供の安全確認を委託されている「札幌南こども家庭支援センター」の施設長は児相の対応をいぶかった。

 同センターは、詩梨ちゃん宅がある中央区と南区を受け持つ。だが5月13日夜、道警から母親の池田莉菜(りな)容疑者(21)との面会に同行を求められた際、児相は「職員到着に時間がかかる」として同センターに連絡しないまま、対応を警察に委ねた。

 同センターは計15人が交代で夜間や休日に児相の依頼に対応する。依頼は年4、5回だが「いつもは『なるべく早く行って』と言われた。安全確認は絶対逃してはいけないのに」と施設長。児相から同じ業務を委託される市内の別のセンター幹部は「児相とセンターの信頼関係がなければ、救える命も救えない」と話す。

「道警との情報共有、現実は難しい」

 児相には昨年9月以降、計3回通告が届き、「救うチャンス」があった。だが4月5日の2回目の通告で、児相は国が徹底を求める「通告受理後、48時間以内に安全確認できなかった場合、立ち入り調査する」とのルールを守れなかった。

 国は48時間以内に安全確認できない事案は「必ず警察と情報共有する」とも指示。だが児相は48時間を過ぎても道警に情報提供しなかった。児相の高橋誠所長は「道警とすべてで情報共有できるかというと、現実は難しい」とだけ話した。

 「そこまでの危機感を持っていなかった」。6日の事件発覚後、児相は記者会見などで何度も、詩梨ちゃんの状況についてこう語った。高橋所長も12日、「通告は、どう見ても虐待と言えるものから、単なる子供がぐずって泣いたものまで、ピンからキリまでいろんな情報が来る」と話した。

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最終更新:6/13(木) 17:51
北海道新聞

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