ここから本文です

水害避難計画わずか3割 県内福祉施設や病院

6/13(木) 5:00配信

北日本新聞

■作成義務化浸透せず 

 川の氾濫で浸水する恐れがある県内の福祉施設や病院などのうち、避難計画を作成済みなのは、今年3月時点で31%にとどまることが県への取材で分かった。作成が法律で義務付けられているものの、制度の浸透不足が理由とみられる。水害に対する安全確保の取り組みが不十分な状況が浮き彫りになった形で、県などは周知に努める考えだ。(政治部・土居悠平)

 岩手県で2016年8月に河川が台風による豪雨で氾濫し、高齢者施設で9人が亡くなったのを教訓に、水防法が改正された。要配慮者利用施設のうち、市町村が指定した施設の管理者に、避難計画の作成と市町村長への報告を義務付けた。計画には避難の経路や場所、誘導方法、防災情報の収集方法などを定めなければならない。

 県によると、作成義務がある県内732施設のうち、3月末までに作業を済ませたのは227施設だった。計画に基づく避難訓練も義務化されているが、実施したのはそのうちの半数に満たない105施設で、全体に占める割合は14.3%だった。

 自治体側は、制度への理解が広がっていないことが背景にあるとみており、富山市の担当者は「作成に職員の手が回らない施設もあるのではないか」と指摘。国全体でも動きが鈍く、昨年3月末時点の作成率は17.7%だった。

 水防法と同じ時期に土砂災害防止法も改正され、土砂災害の恐れがあるエリアに建つ施設も避難計画の作成が義務付けられた。県内の今年3月末の作成率は71.7%と比較的高いものの、避難訓練の実施率は21.7%と低かった。

 県は、福祉施設の関係者や市町村の担当者が集まる会合などで作成を呼び掛けており、担当者は「依頼があれば説明に出向くなど、機会を捉えて周知したい」としている。


■河川の危険箇所点検
 国土交通省富山河川国道事務所や県、災害協定を結ぶ建設会社は12日、国管理の井田川と常願寺川、神通川で過去に越水などが起きた危険箇所をチェックした。

 梅雨時期に毎年実施しており、今年は職員ら約40人が参加した。2004年に浸水被害があった富山市久郷の井田川右岸をはじめ、堤防や護岸など計11カ所を回った。

 13日は庄川と小矢部川、渋江川で点検する。


◆要配慮者利用施設◆
 防災上の配慮が必要な人が利用する社会福祉施設や学校、病院などを指す。2018年3月末時点で避難確保計画の作成義務があるのは、水防法に基づく施設が全国で5万481カ所、土砂災害防止法に基づく施設が1万720カ所。

北日本新聞社

最終更新:6/13(木) 5:00
北日本新聞

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ