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「かっこいい」2000人沸く 高砂部屋富山合宿

6/13(木) 1:20配信

北日本新聞

 待ちわびた優勝力士の凱旋(がいせん)に、来場者2千人の歓声がとどろいた。12日、射水市のグリーンパークだいもん相撲場で公開された大相撲高砂部屋の朝稽古。夏場所で幕内初優勝した朝乃山(25)=富山市呉羽町出身=の勇姿を一目見ようと、早朝から多くの県民が詰め掛けた。

 会場一番乗りだった今村たかしさん(70)=富山市大泉=は「何としても見たい」と、午前3時半から並んだという。午前6時には約250人が列をつくった。予想以上の行列となったため開場が30分早められた。午前6時半の入場開始の合図とともに、少しでも土俵近くに場所を確保しようと来場者がなだれ込んだ。

 高砂部屋の力士が次々と土俵に現れて朝稽古が始まったが、四股を踏む力士の中に関取の姿はなく、「朝乃山は?」と主役を探す声が会場のあちこちから上がった。

 朝乃山が部屋頭として最後に登場すると、今か今かと待っていた会場からこの日一番の拍手と「おめでとー」「こっち向いて」「感動をありがとう」といった声援が湧き起こった。朝乃山は土俵周りを1周し手を振って来場者の大歓声に応えた。

 朝乃山は地元の園児や児童の応援を背にしてアイシン軽金属相撲部の選手らと10番相撲を取り、力強い立ち合いから全勝し優勝力士の実力を披露。相撲歴2年で富山市保内小5年の河部俊太君(11)は「僕もこんな相撲をして、朝乃山みたいな力士になれたらいい」と目を輝かせた。

 学生服や安全帽姿の子どもたちも登校前に稽古を見学した。大門中学校2年の寺西陽菜さん(14)は朝乃山の登場前に登校時間を迎えてしまい、「とても残念。今度は場所で実際の取組を見たい」と、8月の夏巡業「富山場所」を楽しみにしていた。

 稽古後にあった握手会にも長蛇の列ができた。犬の散歩の際に寄ったという近所の藤川正美さん(46)と鍛治真規子さん(46)は「手が柔らかかった。犬もなでてくれて優しかった」と振り返った。会場には相撲好き女子「スー女」の姿も。十両時代からの朝乃山ファンという西田鈴菜(れいな)さん(35)=富山市岩瀬諏訪町=は最前列で眺め「すごい気迫。全部勝ってかっこ良かった」と熱い視線を送っていた。


■アイシンの黒川が3番相撲

 朝稽古に参加した社会人相撲でトップクラスの成績を残しているアイシン軽金属相撲部の主将、黒川宗一郎(27)は、朝乃山と3番相撲を取り、全て敗れた。

 黒川は富山市呉羽中学校で朝乃山の2学年先輩に当たる。大学生の時に2度対戦し、1勝1敗だったという。幕内優勝力士になってからの初対戦に「衝撃を受けた。学生時代に弱いと言われていた立ち合いの圧力が今は雲泥の差」と感服した様子だった。

 富山商業高校で朝乃山を指導していた同相撲部の中村淳一郎(34)は4連敗。成長を感じつつも「純朴な性格は高校生の頃から変わっていない」と懐かしんだ。


■小杉の児童と交流

 富山合宿のため射水市を訪れている高砂部屋の力士たちが12日夕、アイシン軽金属相撲部のメンバーと共に同市太閤山8丁目(小杉)の太閤山コミュニティセンターを訪れ、放課後児童クラブの子どもたち約80人と交流した。

 着流し姿の力士14人が同センター多目的ホールに入場すると、児童たちは大きな歓声で出迎えた。力士が一人ずつ紹介された後、交流がスタート。子どもたちは力士の体を押したり、追いかけっこをしたり、ホールの中を縦横無尽にはしゃぎ回った。

 川原さくらさん(太閤山小3年)は「お相撲さんに抱っこしてもらった。大きくて優しかった」とにっこり。東一翔君(小杉小2年)は「力いっぱいぶつかったら『強いね』って言われた。将来は力士になりたい」と目を輝かせた。

 参加した力士の一人、朝ノ島次郎さん(29)は「子ども好きなので楽しかった。相撲のことをもっと好きになってほしいね」と笑顔で話し、大粒の汗を腕で拭った。

 児童の思い出づくりや相撲への興味を深めてもらおうと市教委が企画。高砂部屋とアイシン軽金属相撲部が協力した。

北日本新聞社

最終更新:6/13(木) 1:20
北日本新聞

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