ここから本文です

村田昴は全てを持ってる男…ボクシング東京五輪代表候補は長谷川氏をボッコボコに?

6/14(金) 10:00配信

デイリースポーツ

 東京五輪で唯一決定していなかったボクシングの競技開催が決まった。プロの元3階級王者でデイリースポーツ評論「拳心論」で健筆を振るう長谷川穂積氏(38)が昨年の全日本選手権と福井国体のバンタム級で2冠を獲得した日本代表候補、村田昴(22)=自衛隊=を都内の自衛隊体育学校に訪ねた。村田は長谷川氏の所属した真正ジムでボクシングを始め、以降も交流を続けていたチャンプの“秘蔵っ子”。長谷川氏が「持ってる」と太鼓判を押す逸材の、2020年への思いに迫った。13日は世界選手権(9月、ロシア)の代表選考会開会式が都内で行われ、村田らが出席した。

  ◇  ◇

 長谷川「和歌山から神戸の真正ジムに来始めたのは小学5年くらい?合宿所にも泊まってたけど、3日くらいでホームシックになったなあ」

 村田「1日です…」

 長谷川「1日か!子供やったもんな。ホームシックでさみしくて泣いて。ここ(自衛隊)は何日泣かんとおれてんの?」

 村田「2カ月ちょっとくらいです」

 -なぜ真正ジムに。

 村田「空手をやっていて、元々長谷川さんに憧れていたんです。6度目の防衛戦に連れて行ってもらってから、父(昌也さん)の車で片道1時間半から2時間くらい。金曜日からの週末とか夏休みとかを使って」

 長谷川「僕はいなかったんだけど、プロの走り込みにも参加して、誰より一番速かったらしい。(真正の走り込みは)800や400メートルとかいろいろあるけど、ずっと昴が一番だと」

 村田「小学校低学年からお父さんと2時間くらいのメニューがあって、今も帰るとやっています。小学校では市の駅伝メンバーに選ばれました」

 長谷川「ほんま努力家。ダッシュでもずっと落ちないとお父さんから聞いたよ」

 -父と二人三脚。

 村田「父はボクシング経験はありませんが、家の近くに倉庫を借りて練習場をつくり、そこでやっていました。大学2年で引っ越して3階建ての2階を練習場にしました」

 -高校(和歌山・貴志川高)にもボクシング部はなかったが、2度の全国大会制覇。

 長谷川「(長谷川氏のマネジャー、トレーナーの)中辻(啓勝氏)に母校の西宮香風高を紹介してもらって練習に参加してた。いい指導者がおられて。真正では基礎を習い、高校ではいいご縁があった。そこで努力して2回(選抜とインターハイで)優勝し、日大から声をかけていただいた。昴は才能、努力、運のすべてを持っていると思う」

 村田「ボクシングがとにかく好きで練習が楽しかったんで」

 長谷川「本当にボクシングが好きで貪欲にやっているところが僕にはかわいい。勝負の世界だから負けることはある。大学時代もタイトルを全部とったわけでもなく、いろんなことで挫折したけど、4年で全日本と国体で王者になって次のステージに来た。失敗を自分の中で消化して、キャリアに変えているので、これからさらに成長すると思うよ」

 -長谷川氏と同じサウスポー。尊敬しているところは。

 村田「長谷川さんのようなボクサーにもなりたいし、人にもなりたい。世界王者になっても練習もちゃんとして、周囲の人、応援してくれた人を大切にする。ボクシングの面では長谷川さんは防御がすごくうまく、カウンター、右フックがかっこいいなと思っています」

 長谷川「僕のジム(神戸市内の『長谷川穂積フィットネス&ボクシング』)にも来てくれる。必ずマス(寸止めのスパーリング)をするけど、帰ってくるたびやられてボコボコ。来るたびに引き出しがすごく多くなっている。僕は引き出しが少なくなって反比例してるからボッコボコ」

 村田「実戦で使えるアドバイスを具体的にいただけます」

 -世界選手権(9月、ロシア)の選考会(13日~16日)では、国際大会で優勝経験のある堤駿斗(東洋大)らと代表を争う。

 村田「(堤は大学の)リーグ戦で一度だけ対戦(敗戦)しました。距離感がうまい選手です」

 長谷川「いい選手だと聞いてる。一番のライバル?」

 村田「みんながライバルです」

 長谷川「昴は何か持っている。これはむちゃくちゃ大事。僕は練習が本番、試合はおまけといつも言うけど、練習では本番のつもりで追い込めるだけ追い込んで、本番はおまけのつもりでやる。それで結果が出なかったらしょうがない。悔いなくケガなくやってほしい」

 村田「スタミナと左のストレートで倒せるように磨いていきたい。自衛官としていい環境でやらせてもらっている感謝もあります。とにかく五輪に出たい。絶対出られるように頑張ります」

 長谷川「もちろん自国の五輪なので、小学校から知っている昴が日本代表で出れば応援の思い入れも違うし、金メダルを取ってほしい。昴は持ってるからね。でも、万が一とれなくてもそれがゴールじゃない。楽しくやってほしい。まあ、お前はあまり(重圧を)感じない。そこがまたすごいとこやな」

 ◆ボクシング五輪への道 五輪競技存続が決まり、今後は組織運営が問題とされていた国際ボクシング協会(AIBA)の代わりに、国際オリンピック委員会(IOC)の特別作業部会(渡辺守成座長)が主導する。ただ、代表選考基準は未定で実施階級も明確に示されていない。日本連盟は今月2日の理事会で五輪や世界選手権など主要国際大会の代表決定を行う「選手選考委員会」を立ち上げ、公正な選考を目指すと表明した。五輪代表選考に関しては、全日本選手権(11月、鹿児島)の結果が材料となる可能性が高い。

最終更新:6/14(金) 10:24
デイリースポーツ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事