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日米蜜月を見せつけられ、韓国保守から噴出する文外交批判

6/14(金) 11:03配信

ニュースソクラ

トランプ大統領の「かが」乗船で、親政権メディアにも危機感

 令和の時代の初の国賓として訪日したトランプ大統領の3泊4日の日程は、韓国国民にも強烈な印象を与えた。

 ほとんどの日程を相棒のように寄り添っていたトランプ大統領と安倍首相の姿は、4月11日、飛行機で10時間以上を飛んで行ったワシントンでたった2分間のテタテ会談を行った文在寅(ムン・ジェイン)大統領とトランプ大統領との姿とはあまりにも違っていた。

 トランプ大統領の訪日を見守った韓国メディアの反応はリベラル系と保守系で微妙に違っていた。

 まず、リベラル系はトランプ大統領の北朝鮮関連発言、日本との貿易問題を真っ先に口にしたトランプ大統領の発言に注目した。

 「安倍の微笑みの後に飛んでくるトランプからの8月の請求書」(京郷新聞)
 「訪日トランプ、ボルトンだけでなく、安倍総理とも亀裂?」(THE FACT)
 「トランプ訪日、反対デモをする日本市民たち」(オーマイニュース)
 「トランプ、対北朝鮮問題で同盟・参謀と食い違い... 『対話局面』を続く、来年再選の布石か」(ソウル新聞)

 リベラル系では唯一、今回のトランプ訪日について社説を出した『ハンギョレ新聞』は、トランプ大統領が安倍首相とともに日本自衛隊の護衛艦「かが」に乗船したことに強い警戒感を表した。

 「日米首脳が28日、戦後日本の初の航空母艦に改造される予定の護衛艦「かが」に乗船し、グローバル同盟を誇示した。日本自衛隊がインド・太平洋地域などで米軍を助け、積極的な軍事活動を行うことに対する両国首脳間の共感を示した事件とみられる。これは戦後の日本安保の根幹だった『專守防衛』原則に事実上終焉を告げたもので、周辺国の不安と警戒感はさらに大きくなるだろう」

 「前世紀にあった軍国主義の侵略に対する反省も十分にせず、軍事的役割を拡大しようとする日本に対して強い憂慮を示さざるを得ない。トランプ大統領が日本の軍事大国化を後押しするような行動を見せたこもと遺憾である」(ハンギョレ社説<安倍の『軍事大国』を後押しするトランプ>)

 一方、保守系からは、「日米新蜜月」が韓国に及ぼす影響に対する懸念の声が次々と上がった。

 『文化日報』は、トランプ大統領の「かが乗船」と「日本海発言」は、今回の日米首脳会談で韓国が露骨にパッシングされた証拠と分析した。

 「トランプ大統領は、訪日最終日の28日、安倍晋三首相ともに護衛艦『かが』に乗り込み、『日本の防衛力増強が米国の安保に役立つ』と述べた。「かが」は1941年の真珠湾攻撃の先頭に立っていた航空母艦「加賀」と発音が同じだ」
 「トランプ大統領がここで日本防衛力増強に支持を示したことは、過去の歴史は後にして、現在と未来に集中するという意味であり、強化された日米同盟を通じて、インド・太平洋地域で中国の台頭を牽制するという構想だ」
 「特に、トランプ大統領は米軍の強襲揚陸艦『ワスプ』の艦上で行った演説で、米将兵に向かって『皆さんは黄海と日本海、東シナ海、南シナ海を守ることで祖国と同盟国を敵から防御している』と述べた」
 「東海・日本海の表記問題が(日韓間で)敏感な懸案にもかかわらず、トランプ大統領が露骨に日本の肩を持って『日本海守護』演説をしたわけだ。中国牽制のためには日本との同盟強化が絶対的なゆえ、文在寅政権に外交的配慮はしないということでもあろう。トランプ大統領と安倍首相の記者会見でも、韓国は重要な同盟国として扱われることはなかった」 (文化日報社説<トランプ、「日本海守護」演説と米日の露骨的な韓国パッシング(PASSING)>)

 密接な日米関係に比べて、韓国の外交的孤立を心配する声も多かった。

 『中央日報』は、日米の密月と比較される韓国外交の現実について皮肉った。

 「今回の日米首脳会談を見る限り、むしろ安倍首相が北朝鮮との仲裁者になったように思われる。韓国は仲裁者ではなく、外部者になった感じだ。文在寅大統領が北東アジア諸国の首脳からそれとなく排除されている雰囲気だ」
 「来月の大阪G20首脳会議直後、トランプ大統領の訪韓日程はまだ確定されていない。日本はG20会議で韓日首脳会談の意思がないという話がある。中国の習近平国家主席の訪韓も最近取り消された。北東アジアで韓国だけが大海をさまよっている状況だ」(中央日報社説<米日は蜜月なのに、韓国は独りぼっち>)

 『東亜日報』は、日米が第2次世界大戦後、最高の蜜月を謳歌する片隅で、韓国は孤立していると指摘しながら、韓国外交の現実に対して次のように説明した。

 「青瓦台(大統領府)は来月に相次いで開かれる日米首脳との外交スケジュールも具体化できていない。6月末、日本・大阪で主要20ヵ国(G20)首脳会議が開かれるが、歴史問題など、 先鋭化する対立について話し合う韓日首脳会談は開催されるかどうかも未知数だ」
 「G20会議直後、ソウルで開かれる韓米首脳会談は、会談決定発表から10日が過ぎたものの、訪韓形式と日程、議題についての議論は進展がない。ここで実務に取り組むべき外交部は、韓米首脳間の電話会談の内容が漏れたことでアノミー(茫然自失)状態だ」 (東亜日報<北朝鮮は外面、米日は密着…孤立した韓国外交>)

 『朝鮮日報』は、「日米蜜月や日中関係回復の中で、韓国外交は完全に孤立した」と指摘し、文在寅外交の現状を赤裸々に批判した。

 「国家が歴史と現実を区別できないと外交が成り立たない。韓日関係はもはや外交が成立しない状況に入った。これが韓国の国益にいかなるためになるのだろうか。G20で韓米日間の3国首脳会談の開催は未定だが、日米・インドの首脳会談は確定された」
 「日米がインド・太平洋戦略を推進したが韓国政府はこれを拒否した。『韓米日』が『日米・インド・オーストラリア』に転換されると、韓国の居場所はどこになるのだろうか。難題を解決しなければならない外交部は『綱紀の乱れ』で満身創痍になった」
 「大統領府は『首脳電話会談漏えい』をもって野党の攻撃への対応に忙しい。南北関係さえうまくいけば地域情勢を主導することができるとおもっていた文政権の国家戦略は、(韓国の)食糧支援の提案さえ『つまらない』という北朝鮮の非難で塞がれた。韓国外交は今どこにあるだろうか、外交があるのは確かなのか」(朝鮮日報社説<韓国の外交は今どこにあるのか>)

 多くの韓国メディアが指摘している通り、文在寅政権の外交部は、山積みの外交問題はそっちのけで、「外交機密漏えい」をめぐる政争に明け暮れている。国際外交の晴れ舞台のG20首脳会談が目の前に迫ってきても、韓国外交部の存在感は日々薄れていく一方だ。

朴英南 (ジャーナリスト 在ソウル)

最終更新:6/14(金) 11:03
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