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ソニーがデジタル人材の年収を2割増に 高度人材の確保に効果はある?

6/14(金) 11:40配信

THE PAGE

 ソニーが高度な人材を確保するため、新入社員の初任給に差を付ける制度の導入を開始しました。人工知能(AI)などの分野で高い能力を発揮する人材について、年収を最大2割増しとします。日本企業の年収は諸外国と比較して低く、高度な人材は日本企業を敬遠するといわれていますが、こうした措置は効果を発揮するのでしょうか。

院卒新入社員の年収は最高730万円に

 ソニーは仕事の内容に応じて等級を分け、給与算出の基準とするなど、日本企業の中では、成果に対して賃金を支払うという考え方が強い方でした。一方で新卒社員については、基本的に等級なしという判断が行われており、全員、一律に評価されていましたが、今後は優秀な人材については、入社3カ月後から等級を付与し、年収を引き上げます。大学院卒の新入社員の年収は約600万円だそうですが、今回の措置によって、もっとも優秀な社員の場合には730万円まで年収が上がります。

 近年、日本の経済力が低下してきたことから、日本国内では相応の年収に見えても、諸外国の企業から見ると、日本企業はかなりの低賃金になってしまいます。外国の大学に通う優秀な学生は日本企業に来たがりませんし、日本の大学に通う優秀な学生の場合も、高い賃金を提示する外国企業に就職する人は少なくありません。国際的に展開する優良企業では、平均的な初任給が月50万円程度になることも珍しくありませんから、ソニーの新制度は、特別高い報酬というわけではありません。しかしながら、新卒の一律採用にこだわってきた日本の採用に大きな風穴を開けるのは事実でしょう。

高度人材獲得には社内環境の整備も重要

 もっとも技術系社員の場合、金銭的な報酬だけで企業を選択するわけではありません。日本メーカーの中には、ソニーほどではなくても、高度人材を優遇する制度を構築したところもありますが、うまく機能しているとは言えません。その最大の理由は社内環境です。

 せっかく高度な人材を採用しても、使うパソコンの性能が社内規定で制限されていたり、必要な機器を自由に購入できなかったりと、能力を十分に発揮できない体制になっているケースが多いといわれます。開発環境が充実していれば、報酬を気にしないという技術者も多いですから、むしろ、重要なのはこうした社内環境の整備でしょう。社内環境は、社風にも大きく影響されますから、既存社員の意識改革が必要となります。その点では、日本企業にはまだまだ改善の余地がありそうです。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:6/14(金) 11:40
THE PAGE

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