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井原放火殺人、懲役24年判決 岡山地裁、完全責任能力を認定

6/14(金) 23:37配信

山陽新聞デジタル

 岡山県井原市井原町で昨年2月、同居する家族を巻き込んで焼身自殺をしようと自宅に火を付けて2人を焼死させたとして、殺人や現住建造物等放火などの罪に問われた無職久安規明被告(27)の裁判員裁判で、岡山地裁は14日、被告の完全責任能力を認定し、懲役24年(求刑懲役25年)の判決を言い渡した。

 被告は広汎性発達障害と診断されており、弁護側は犯行時、障害の影響で別の人格が現れ、行動制御能力が低下していたと主張。心神喪失もしくは耗弱の状態だったとして責任能力を争っていた。

 倉成章裁判長は判決理由で、巻き添えにされた家族の心情を顧みない被告の供述から「想像力に乏しく広汎性発達障害の特徴がある」とする一方、火事の発覚を遅らせるため火災報知機にビニールをかけたことなどに触れながら、「行動をコントロールする能力を失った、または著しく減退した状態ではなく、(犯行に)障害の影響はうかがえない」と述べた。

 多重人格についても「臨床的には治療の対象となり得る」としつつ、「必要に応じて人格を使い分けているとみられ、自身の意思決定で犯行に及んだ」として完全責任能力を認めた。

 その上で「2人の貴い命が失われる悲惨な結果が生じ、自分を理解してくれない家族への不満や恨みから巻き込もうと考えたことは身勝手だ」と指摘した。

 判決後、裁判員6人と補充裁判員2人のうち裁判員3人が記者会見。いずれも障害の影響に関する判断の難しさを語り、30代女性=岡山市=は「議論についていくのにも必死だった」と話した。

 判決では、昨年2月27日未明、両親ら8人と暮らす木造2階の自宅母屋で、1階の座布団に火を付けて全焼させ、義兄の会社員=当時(29)=と、その長男=同(4)=を焼死させ、母親にやけどを負わせた。

最終更新:6/14(金) 23:37
山陽新聞デジタル

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