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自動車業界、次なる連合軸「1500万台」クラブを模索

6/15(土) 11:54配信

ニュースイッチ

「規模プラスα」の時代…環境・CASE、再編促す

  欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が狙った仏ルノーとの経営統合は頓挫した。しかし日産自動車、三菱自動車を合わせた連合で販売台数1559万台と世界1位をもくろんだこの試みは、自動車業界でうごめく再編の動きを浮き彫りにした。厳しくなる環境規制や、電動化などの大変革のうねりを背景に1社単独での生き残りは困難になっている。自動車業界は「1500万台クラブ」を見据える新ステージに入った。

 FCAがルノーに持ちかけた統合話は6日、わずか10日間で破談した。しかしロイター通信によると両社は再協議の可能性を探り始めた。自動車業界では1月に独フォルクスワーゲン(VW)と米フォードモーターが国際的な包括提携で合意したばかり。再編機運は高まっている。

 要因は大きく二つある。一つ目は厳しくなる環境規制。欧州連合(EU)は2018年12月、域内で販売する乗用車の二酸化炭素(CO2)排出量を30年までに21年比37・5%削減する方針を固めた。

 世界一厳しいとされるこの規制は「世界に広がっていく」(トヨタ自動車の寺師茂樹副社長)とみる。もう一つは「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)」と呼ぶ新潮流への対応だ。

 電動化で規制対応を進めながら、つながる車や自動運転技術の開発、新たな移動サービスの創出に取り組まなければ生き残れない―。

 端的に言えば自動車メーカーは今、「やるべきことが多すぎる」(三菱電機の大西寛常務執行役自動車機器事業本部長)。1社ですべてをカバーするのは困難で、トヨタも「単独開発にこだわらない」(豊田章男社長)と明言する。

 自動車業界の提携関係を見渡すと1500万台規模の数字が浮かび上がる。提携関係にあるVWとフォードの世界販売(18年)は計1640万台、トヨタとスズキ、マツダ、SUBARU(スバル)は同1639万台、ホンダと米ゼネラル・モーターズ(GM)は同1394万台だ。

 自動車の世界販売は20年頃、1億台を超える見込み。その中で「五―六つのグループができあがるのではないか」と中西孝樹ナカニシ自動車産業リサーチ代表はみる。

 ただ自動車業界には苦い経験がある。98年、独ダイムラーと米クライスラーが合併。小規模メーカーは生き残れないとして「400万台クラブ」という言葉が踊り、多くのメーカーが後を追った。しかし「最強」になるはずだったダイムラー・クライスラーは07年には合併を解消した。

 規模のみを追う提携は成功しない。またCASE時代は「必ずしも資本の強い結び付きを必要としない」(中西代表)。1500万台クラブをどう形づくるかが問われる。

最終更新:6/15(土) 12:02
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