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米国利下げの可能性 世界と日本の景気は今後どうなる?

6/15(土) 13:01配信

THE PAGE

 米中貿易交渉に大きな進展が見られない中、株安と円高が続いています。米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長が利下げを示唆する発言を行ったことから、株価下落にも歯止めがかかったように見えますが、継続的に上昇が続く保証はありません。世界と日本の景気はどうなるのでしょうか。

背景には米中貿易摩擦

 米国のダウ平均株価は5月の初旬には2万6000ドルを突破していましたが、月末には2万5000ドルを切る展開となりました。為替市場ではドルを売って円を買う動きが活発になり、ドル円相場も1ドル=108円の水準まで下落しています。株価と為替が下落している最大の理由は、米中貿易交渉になかなか進展が見られないからです。米中ともに協議を続ける意思は示しているものの、以前、考えられていたような早期解決は難しいとの見解も出てきています。

 米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、株価の下落に危機感を強めており、6月4日には利下げを示唆する発言を行いました。市場は敏感に反応し、4日以降、米株式市場は大きく上昇していますが、この流れが継続するのかは何とも言えません。

 米国と中国の貿易戦争が継続した場合、米国への輸出に依存する中国経済が最初に打撃を受け、その後、ジワジワと米国の景気も悪化するというのが一般的な解釈です。米国は消費大国ですから、中央銀行が利下げなどの措置を実施すれば、大打撃にはならずに済む可能性もありますが、高い関税が課されれば消費に逆風が吹くのは避けられません。

円高が進むというシナリオは成立しない可能性も

 困ったことに、貿易戦争が継続した場合、中国や米国以上に打撃を受けるのが日本経済です。日本は中国への輸出と米国への輸出の両方に依存する図式ですから、中国と米国が失速した場合のマイナスは計り知れません。これまで日本円は、安全資産と言われ、世界景気が悪化すると円が買われるという流れが続いてきました。しかし、日本の貿易収支は悪化しており、以前ほど実需でのドル売りはありません。日本の所得収支は黒字ですが、海外で得た利子や配当は日本に戻さないケースが多く、円を買う動きも減っています。

 もし米国と中国の貿易戦争が長引き、日本の景気が著しく悪化した場合、円高が進むという従来型のシナリオが成立しない可能性もあるわけです。とりあえずは米中交渉が進展することを祈るばかりですが、投資家にとっては、難しい判断が求められそうです。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:6/15(土) 13:01
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