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Huawei独自OS登場の真実味と虚構。Androidベースならば可能性はあるかもしれない(本田雅一)

6/15(土) 11:32配信

Engadget 日本版

米トランプ政権が発動した輸出規制。これに端を発した一連のHuawei関連のトピックスの中で、ここ2日ほど集中して話題に上っているのが“Huaweiが独自OSで勝負をかける“というものです。

この話そのものには根拠もあり、Huawei自身が各国で独自OSの商標権を取得しているほか、独自に開発したOSが高性能であることを訴求するコメントが中国メディアなどで取り上げられているためです。

報道の元を辿って行くと、出所は中国国内のメディアなどであるため、どこまで本当なのか、政治的な意図が背景にあるのでは? といろいろと懸念事項はあるのですが、なかなか興味深い議論なので少し掘り下げてみましょう。

Huawei独自OSの真実味(あるいは非現実性)

Huawei CEOの任正非氏も、営業を続けるための代替策があると発言しており、中国中央政府や中国財界がHuawei支援をしているため、iOS、Androidに続く第三のモバイルOSが一夜にして爆誕! などという報道が(一部でですが)行われているようです。

しかし、いかに通信機器業界の巨人であるHuaweiとはいえ、一夜にしてモバイル端末向けのOSを誕生させることが可能なはずがありません。完全なる独自OSを別途開発していたという話にはリアリティがありません。

スマートフォン市場はすでに成熟期に入っています。端末だけでなく、各OS上で動作するアプリ(とその開発者)も流動性が低く、いくら中国市場が大きいとはいえ、それだけでグローバルで通用するプラットフォームにはならないでしょう。

そもそも市場が拡張を続けていた時期でさえ、Tizen、Firefox OS、Windows Mobileなど、第三のモバイルOSを目指したプラットフォームは死屍累々。対応アプリが提供される見込みはありません。

そもそも......ですが、独自OS開発だと騒いでいる筋は、モバイルOSがどれだけ複雑なプロセスを経てリリースされているのか、想像できていないのではないでしょうか。

あくまで“仮に“ですが、HuaweiがLinuxを基本に独自のチューニングを施したOSを開発していたとしましょう。自社開発SoCなどに絞り込めば、無線モデムや無線LAN、カメラなどの周辺デバイスはサポートできるかもしれません。しかし、世界中の主要な携帯電話事業者が提供するネットワークとの相互接続を確認できるでしょうか?

アプリに関してはAndroidアプリのバイナリを動作させるJITコンパイラを載せて動かしてしまうという手があるかもしれませんけれど、たとえばGoogleがAndroidアプリのバイナリ形式を変更したとしたら、いきなり動かなくなる可能性もあります。

Androidの機能セットを、まるままソフトウェア的なインターフェイスだけ真似ることで、Androidアプリを独自OS向けにコンバートしやすくする、なんてことも不可能ではないでしょう(そういうアプローチのパソコン用互換環境なども、大昔にはありました)けれど、こちらもAndroidのバージョンアップに追従し続けるコストが高くつきすぎてしまいます。

ということで、あらためて“そりゃないだろう“と指摘するまでもなく、完全に独自のOSを普及させる目はないですし、おそらくHuawei自身、中国国内だけのために新OSを開発とは考えていないと思います。

では、根も葉もない噂かと言えば、そういうわけでもないのかもしれません。なぜなら、Huawei版OSの利用が中国国内で拡がっていくシナリオが考えられるためです。

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最終更新:6/15(土) 11:32
Engadget 日本版

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