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【バレー】石川祐希の対角に必要なもう1人…ネーションズリーグここまでを振り返って

6/15(土) 17:08配信

バレーボールマガジン

バレーボールネーションズリーグ男子は、イタリアに1-3で敗れて5敗となった。「石川祐希の対角OHに求められるもの」というテーマの記事もあったが、まず福澤達哉は脱落させるべきであろう。まだ故障からの復調が万全でない柳田将洋が崩れて投入されても、日本ラウンドでも特に流れを変えたりすることはできなかったが、イタリア戦ではひどかった。得意なはずのオーバーハンドでのサーブレシーブがすっぽ抜けて、エースを献上、ブロックに力いっぱい叩きつけて被ブロック、これまた得意なはずのパイプ(センターからの速いバックアタック)ではアタックラインを踏み越し、そしてお決まりのサーブミス…。「ベテランがしてはならないプレーの見本市」とでもいうべきありさまであった。

中垣内祐一監督は、石川のことを「チームの調子がいいときは非常に本人もいいプレーをするが、チームの調子が悪くなると、お付き合いして自分のプレーも悪くなる」と何度もコメントしているが、自分はこの表現にまさにぴったりな選手を知っている。それが福澤だ。「身体能力は高く、チームが乗っているときは自分も非常にいいプレーをするが、競ってきたり、チームが劣勢になると、途端にパフォーマンスが加速度的に悪くなり、しのいだり、流れを変えることができない」。これが福澤という選手の本質である。石川はそれに比べれば、好不調に波が若干ある程度だ。もし石川が中垣内監督のコメントにあるような選手であるならば、その対角にさらにその傾向の強い選手を入れてどうする。

もう一つ言うならば、福澤はリリーフができない。このことは、彼が代表としてほぼデビュー戦だった北京五輪でも越川優が怪我をして途中から入ったときも、全く地に足がつかず、ラインクロスを何度もやったときから、現在に至るまで変わっていない。2016-17シーズンのファイナル6では、ミハウ・クビアクの加入で所属するパナソニックパンサーズは優勝候補にあげられていたにもかかわらず、清水邦広の負傷でベストメンバーでなく臨まなければならなくなった。豊田合成トレフェルサは福澤の前にショートサーブを落として体勢を崩させて連続ブロック。6連続得点まで許してようやくサイドアウトが切れた。このときクビアクは「戦う前から負けていた選手がいた」と激昂。名指しこそしていなかったものの、誰のことをいっていたのかは一目瞭然であった。昨年の天皇杯でも、ストレート勝利間近と思われた準決勝でクビアクが故障離脱した途端にミスを連発。ベスト4にとどまった。

福澤がパナソニックの幾多の優勝に大きく寄与してきたのは事実である。しかし、調子を落としたときや、劣勢になったときには、彼の後ろには大きなバックアッパーが存在した。現在パナソニックの監督である川村慎二氏である。その川村監督は、「誰が出ても勝てるチーム」を掲げる中で、福澤のことを「福澤は後発ができない選手ですので」と何度もコメントしている。自身が務めてきたリリーフ役には若手の久原翼が起用された。「後発ができない」先輩の尻拭いを何度もしてきた久原は、今年1月に膝の痛みを訴えた福澤の代わりにスタートで使われ、その役目を全うした。以降リーグ終盤とアジアクラブ選手権では、久原がスタートから使われるようになる。中垣内監督は、リーグと天皇杯、アジアクラブをきちんと視察していたのか? リオオリンピック世界最終予選を、映像でも良いから見直したことはあるのか? このときも福澤はリリーフで登場し、ことごとく失敗して、怪我をした石川や柳田を戻さざるを得なかった。日本ラウンドで「福澤と高野には引き続き期待していきたい」と述べた中垣内監督に、「彼らのなにに期待しているのか」を今一度尋ねたい。

福澤のある意味パーフェクトな自滅のおかげであまり目立たなかったが、高野直哉もあまり褒められたものではなかった。日本ラウンドではツーアタックを大きくふかして代えられたが、実戦で実行した前日の練習でも同じようなツーアタックにトライして大きくふかしていた。高野には「練習でできなかったことが、いきなり本番でできるようにはならない。逆はあっても」という言葉を贈りたい。福澤ほどではないが、高野もサーブミスが多く、ミスでなければふんわりとしたチャンスサーブになる。パイプも福澤と同じようにアタックラインを踏み越し、石川がサーブで崩してブレイクチャンスになったボールを、ネット際でお手玉して簡単にイタリアにサイドアウトを切らせてしまう。

次のラウンドでは、クビアクが期待する選手として即答した「ヒサ。彼はタレントがあり、すべてのスキルを持っている。ただ、まだ十分ではない。ハードワークしなければならない。彼はハードワークし、成功するだろう。全ては彼の手の中にある」久原をもうしばらく通して使い続けてみることと、どうしても中垣内監督の所属したチームから出さなければならないのなら、サーブの良い樋口裕希をリリーフサーバーでもいいから試してみることをおすすめする。

リベロは登録されたメンバーの中ならば、古賀太一郎選手で通してほしい。勝つ気があるのなら。

ネーションズリーグは、勝ちを狙いながらもいろいろな選手を試す場でもある。攻撃に特化された後発のできないベテランに守備的なリリーフを期待するのは、もうやめていただきたい。

田村和之

最終更新:6/16(日) 12:54
バレーボールマガジン

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