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米中貿易摩擦とその影響について

6/15(土) 20:40配信

LIMO

米中貿易摩擦が注目を浴びている。米国は5月10日、中国からの輸入品2,000億米ドルに対する関税を10%から25%に引き上げた(500億米ドルに対しては既に25%の関税を発動済み)。中国は即時に報復措置を発表し、昨年9月24日以降5%~10%としていた米国からの輸入品600億米ドルに対する関税を最大25%に引き上げた。

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今回の関税引上げ直後に米通商代表部は、さらに3,250億米ドル相当の中国からの輸入品に対して制裁課税を発動することを検討していると述べた。一方、昨年の米国による中国からの輸入額は5,400億米ドル程度であった。したがって、検討されている追加関税は、テニスシューズから携帯電話に至るまで、今年中国が米国に輸出する残るすべての品目が対象となる模様である。

一方、米中の対立は貿易にとどまらず、技術や公正な競争、安全保障をめぐる問題にも広がっている。5月中旬には、米国が、国家安全保障に脅威をもたらし得る外国の敵対勢力による米国の通信ネットワーク、その他技術の利用を禁止する大統領令を公布した。

米商務省は、中国最大の通信機器/スマートフォンメーカーとその関連会社70社を、米国にとって取引をすることが好ましくない相手として、「エンティティ・リスト」に追加した。このリストに追加されると、企業はライセンスや米国政府の承認なしに、米国の技術を利用できない。

米中貿易摩擦の中国経済への影響については、対処可能と見ている。当社の試算では、中国製品に対する15%の追加関税は、その後1年間の、中国のGDP成長率を0.2~0.3%押し下げるに過ぎない。但し、この数字には長期的に重要な影響をもたらしうるサプライチェーンの再構築といった企業の景況感や投資に与える影響は考慮されていない。また、携帯電話や監視システムのような商品の電子サプライチェーンは、米国製の半導体やソフトウェアの購入制限により混乱をきたすだろう。

最近の関税引上げとその対象製品の拡大も、投資家にとっては懸念材料である。これが米国のインフレ見通しに影響を与え、それがひいては連邦制度理事会(FRB)にハト派姿勢の転換を促す可能性もある。

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最終更新:6/15(土) 20:40
LIMO

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