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女3代、新鮮な魚に自信 母から娘・孫 店継ぎ70年「ここがみんなの家」|公設市場物語

6/15(土) 11:50配信

沖縄タイムス

 [公設市場物語]魚久鮮魚

 赤いグルクンに鮮やかな青色のイラブチャー、大きな伊勢エビ。第一牧志公設市場の一角にある「魚久鮮魚」の店先には、県内各地から仕入れた新鮮な魚(イマイユ)が並ぶ。店を始めたのは今帰仁村出身の故國吉藤子さん。娘や孫が店を継ぎ1950年の市場創設以来、70年近く新鮮な魚を届け続けている。(社会部・比嘉桃乃)

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 藤子さんは16年前に74歳で亡くなった。現在は娘の久髙佐智子さん(69)や孫娘らが店を切り盛りしている。元々は「國吉鮮魚」という名前だった。三十数年前に佐智子さんらが引き継ぎ、名字の「久」を取って「魚久鮮魚」と改名した。

 藤子さんは開店当初からタライを持って安里川近辺で魚を仕入れ、市場で販売していたという。佐智子さんは「ワンピース姿で毎日遅くまでてきぱき働いていた。いつも明るくて外国の人にも魚を売っていたよ」と母親の姿を思い起こす。

 店のモットーは「新鮮で安全でおいしい県産の魚を提供すること」。数年前から市場には観光客も多く訪れ、魚を買い求めるようになったが、県内各地から新鮮な魚を仕入れ、地元の飲食店を中心に販売するスタイルは変わらない。

 佐智子さんの3人の娘、長女の花城綾さん(43)、次女の大濱梨沙さん(38)、三女の伊佐唯さん(32)はそれぞれ結婚し、子育てに励みながら店を手伝っている。

 幼い頃の遊び場は市場の中。唯さんは「よく鬼ごっこやかくれんぼして遊んでいたけど怒られたなあ」と振り返る。10代後半から店を手伝い始めたが、当初はエビもグルクンも触れず、魚のうろこの取り方すら知らなかったという。

 店を手伝ううちに責任感が出てきた3姉妹。綾さんは訪れた客に魚の知識や沖縄での呼び方を解説するようになった。「おいしくない魚は売らない。『今日(の魚)はおいしくないから明日買いに来て』とお客さんに伝えることもある」というほどのこだわりの強さだ。梨沙さんも魚へのこだわりは人一倍で「今でもお店のことになると、もっとこうした方がいいとか、よくけんかする」と笑う。

 長年愛着のあるこの場所を離れることに「正直不安」と話す佐智子さん。「ここがみんなの家みたいなものだからね。店を続けることに意義がある。新しい場所でも変わらず新鮮な魚を提供していきたいね」と話した。

最終更新:6/15(土) 11:50
沖縄タイムス

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