ここから本文です

相馬土垂(6月16日)

6/16(日) 9:54配信

福島民報

 サトイモの在来種「相馬土垂[どだれ]」は、新地町の農家でひっそりと栽培されていた。相馬市内で農業を営む青年が、二年ほどかけて探し出し、本格的な復活を目指す取り組みが続く。

 煮物や汁物にすると甘みがあり、ねっとり、ホクホクとした食感は家庭の味だった。スーパーで見かける楕円[だえん]形のサトイモに比べて細長く、形が市場に受け入れられなかった。二十年ほど前に栽培が途絶え、地元の食卓からも姿を消したといわれる。

 青年は震災後、人づてに聞き、相馬の新たなブランドに育てる思いを描く。しかし、文献に記述が残るだけで、写真は見つからない。種苗店や直売所を巡っても空振りが続いた。ようやく見つけた種芋を大切に育て、数を増やした。昨年、初めて相馬市内の小中学校の給食に提供した。今年は作付け農家も増えた。

 「相馬の農」を絶やさず、子どもたちに託すという夢が膨らんだ。今年、苗を市内の二小学校に贈った。飯豊小の児童は六月上旬、学校隣の畑に植え、大きく育つよう願いを込めた。青年に指導を受けながら、秋の収穫まで、草をむしって水を与える。子どもたちの愛情が注がれた畑は、やがて青々とした葉を茂らせる。

最終更新:6/16(日) 9:54
福島民報

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ