ここから本文です

MCに甘え自分を貫き仕上がった「ずん飯尾」の愛されキャラ

6/16(日) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【今週グサッときた名言珍言】

「タカさんたちが笑ってくれて商品化です!」(飯尾和樹/フジテレビ「石橋貴明のたいむとんねる」6月10日放送)

 ◇  ◇  ◇

 脱力したキャラが人気の「ずん」の飯尾和樹(50)。彼の代名詞のひとつであるギャグに「よろけたついでに由美かおる」がある。実はこれ、「とんねるずのみなさんのおかげでした」(フジテレビ)で追い詰められた末に生まれたものだという。

 狩野英孝に投げ飛ばされた後、微妙な空気になってしまうと、石橋貴明から「どうすんの?」というパスが来た。その時に「後輩に投げ飛ばされたついでに由美かおる」と即興で返した。すると、爆笑。それを振り返ったのが今週の言葉だ。

 野球少年だった飯尾は、プロになることを夢見ていたが挫折。公務員も目指したが、いつしか、もともと好きだったお笑いの道に進みたい気持ちが募り、浅井企画の門を叩いた。

 その時、ほぼ同時期に入ったのがウド鈴木だった。ウドは「キャイ~ン」を結成。程なくしてテレビの売れっ子になっていく。そんなキャイ~ンに自分たちの現状を相談しようと食事に誘ったことがあったという。

 だが、2人のほうが暗い顔をしている。「テレビでは自分たちのやりたいことがほとんどできない」「それをどうしたら少しでもできるようになるか」と悩んでいたという。ああ、売れてもそういう悩みがあるのだ」とキャイ~ンから「予防注射」を打たれたようだった。

 また、もう芸人を辞めようかと思った時に限って、ウドや先輩の関根勤から「面白い」と言われ、「痛み止め注射」を打たれ、続けることができた。

 ある年の年末、仕事納めだななどと言いながら、相方のやすと喫茶店でランチを食べていると、ウドから特番の収録で忘年会に遅れるという連絡が入った。その時、芸人にとって、かき入れ時の年末に仕事がないなんて、ヤバいんじゃないかと思ったという。

 そこで開き直った。「今日から人に甘えよう。MCに甘えよう。バンバン、バンバン、スベってもいいから何でも答えていこう」と。「何もなくなったら、好きな食べ物でも叫べばいいじゃないか」と、やすと共に決めた。すると、年明け1発目の仕事で、やすがMCと絡み、15秒後に「ホタテ~っ!」と叫んでいた(文芸春秋社「文春オンライン」19年5月26日)。

 飯尾は「お前、出会ったときからずっとやってること同じだもんな」と、タモリから言われたという。進歩がないということかと落ち込みそうになったが、タモリは続けて、何かが流行っているからと時代を追ったら、絶対追いつかない。だから「自分が面白いことだけやってろ」と付け加えた(同前)。

 まさにその言葉通り、自分の芸風を貫いたことで、先輩や芸人仲間に愛され、彼の時代がやってきたのだ。

(てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)

最終更新:6/16(日) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事