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多すぎてよく分からない、スマホの「急速充電」規格を整理する

6/16(日) 6:05配信

ITmedia Mobile

 スマートフォンの充電時間を短縮できる「急速充電」。端末が大型化し、バッテリーも大容量化するにつれて、ますます急速充電への対応は一般化している。しかし、一言で急速充電とくくっても、さまざまな規格が乱立しており、利用者にとっては全容をつかみづらい。そこで、急速充電の全体像を理解できるよう、最低限の情報を整理した。

速くない充電との違い

「急速充電ではない」出力とはどのくらいなのか?

 急速充電という言葉の定義はあいまいだ。充電速度の目安となる単位には、「V(ボルト)」と「A(アンペア)」、これらを掛け合わせた「ワット(W)」が使われる。しかし、何W以上を急速充電と呼ぶのかは厳密に定まっていない。そこで、まず基準となるUSBの出力について考えてみよう。なお、実際の充電効率は、使用するケーブルや充電機、スマートフォンの充電制御回路などに左右されるため、ここで紹介する数値はあくまでも理論値だ。

 そもそも、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)という規格は、コンピュータと周辺機器を接続するために誕生したため、当初は大容量充電を想定してはいなかった。2000年に策定されたUSB 2.0では、理論的には5V×0.5A=2.5Wの最大出力で充電可能。標準で0.1A、ホストとデバイスが合意して最大0.5Aの電力供給が行われる仕様だった。しかし、データ転送がしばらくない場合には、利用可能な電流は2.5mAに制限された。

 その後、USBから充電に使用することを意識した規格が登場する。2007年に策定された「USB BC(USB Battery Charging Specification)」だ。スマートフォンの黎明(れいめい)期には、2010年に定義された「USB BC 1.2」が普及。この規格が対応した最大5V/1.5A(=7.5W)という値が、急速ではない充電速度のレガシーな基準といえる。

 一方、2019年夏モデルのスマートフォンを見ると、そのほとんどがUSB Type-Cに変わった。こうした状況を踏まえれば、今どきの基準はUSB Type-Cの仕様で考える必要があるだろう。USB Type-Cでは、「Type-C Current」という充電規格があり、最大5V/3A(=15W)と最大5V/1.5A(=7.5W)の2パターンが存在する。

 厳密にいうと、他にもUSBの規格はほそぼそと存在するので話はより複雑になる。しかし、ここではUSB BC 1.2の5V/1.5A(=7.5W)とUSB Type-Cの5V/3A(=15W)という値を1つの基準として覚えておいてほしい。

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最終更新:6/16(日) 6:05
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