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ファーウェイにロシア政府が助け船? Android代替スマホOSの提供を打診か

6/16(日) 22:05配信

Engadget 日本版

米中貿易戦争により窮地に追い込まれるファーウェイ。同社に対しロシア政府が支援を打診したと伝えられています。

米国による制裁の影響で、ファーウェイは自社スマートフォンにGoogleのAndroid向けサービスを搭載できなくなります。対象はアプリストアのGoogle Play Storeのほか、GmailなどGoogleの主要アプリも含まれており、ファーウェイにとっては中国国外でAndroidスマートフォンを販売するのが困難な状況に陥っています。

ロシア国営のイタルタス通信は、ロシア政府がファーウェイ対し、Androidの代替OSとして「Aurora」の採用を提案したと伝えています。

このAuroraの別名は「Sailfish Mobile OS Rus」。Sailfish OSはNokiaからスピンアウトしたフィンランド企業のJollaが開発するモバイルOS。AuroraはSailfish OSの正式ライセンスを受け、ロシア企業がロシア国内向けに開発している“独自OS“に相当します。

Auroraの開発を主導するのは、ロシアの通信事業者Rostelecomの傘下にあるOpen Mobile Platform。ロシア通信省はAuroraに対し、政府が扱う情報セキュリティ要件に適合するという証明書を発行しており、Auroraはいわば「ロシア政府公認スマートフォンOS」となっています。

露ニュースサイトのThe Bellは情報筋の話として、ファーウェイ輪番CEOの1人、郭平(Guo Ping)氏がロシア通信省のKonstantin Noskov大臣と会談し、ファーウェイスマホへのAurora搭載の可能性について話し合ったと伝えています。The Bellはまた、別の情報筋の話として、ロシアのプーチン大統領と中国・習近平国家主席の首脳会談においてもこの話題が議論されたとも伝えています。

ロシアは、Auroraをファーウェイスマホに搭載するための技術協力のバーターとして、ロシア国内でのファーウェイ製品の生産を打診。特にチップとソフトウェアについて共同開発を提案したとしています。The Bellの取材に対し、ファーウェイはコメントを拒否。Rostelecomの広報担当者は「提案については聞いたことがないが、すべてのモバイル製品開発者に技術協力する用意がある」と回答しています。

別の動きとして、ファーウェイはAndroidに代わる“独自OS“を開発しています。13日には名称とみられる商標「鴻蒙(Hongmeng)」を同社が出願したことがロイター通信など複数のメディアにより報道されました。

中国国内では政府の統制によりGoogleのサービスが利用できないため、オープンソース版Androidをベースとして、独自のアプリストアなどを追加するカスタムOSが主流となっています。ファーウェイの“独自OS“もこの方式を採用する可能性が濃厚です。

Googleとの取引停止の影響は、カスタムOSの文化が根付いている中国国内はともかく、欧州や日本を含めた中国国外での影響が甚大と言えます。「Aurora」搭載が実現すれば、ロシア政府関連機関への販売が約束されることになり、ファーウェイにとって“渡りに船“となりそうです。

ロシアとしても、米国が大きな影響力を持つスマートフォンOSやチップセットなど分野において、対抗しうる技術力を持つ中国企業を取り込むのは、有益な取引と言えるでしょう。

ただし、Auroraは採用実績が乏しく、スマートフォンでの採用例は2017年発売の「INOI R7」の1機種にとどまっています。ファーウェイがその技術力を魅力あるAuroraスマホの開発に投入したとしても、ロシアのスマホ市場でシェアを獲得できるかは未知数です。

石井徹(TORU ISHII)

最終更新:6/16(日) 22:05
Engadget 日本版

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