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『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の残念キャラ「ラドン」 哀愁誘うその出自

6/16(日) 11:01配信

マグミクス

「ラドン」初登場作は怪獣史に残る名作

 米国のレジェンダリー・ピクチャーズ社が製作した『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』が公開中です。ハリウッドでも人気抜群のゴジラをはじめ、モスラ、キングギドラら東宝特撮映画の怪獣たちが激しいバトルを繰り広げます。同作のなかでちょっと残念な役回りとなっている「ラドン」も、東宝怪獣のなかでも見逃せない存在なのです。

【画像】東宝怪獣の侮れない存在、「ラドン」登場作品(6枚)

 空飛ぶ大怪獣「ラドン」は、知名度ではゴジラに劣りますが、ラドンのデビュー作『空の大怪獣ラドン』(1956年)は、怪獣映画の名作として高く評価されています。『ゴジラ』(1954年)、『ゴジラの逆襲』(1955年)はモノクロ映画でしたが、初のカラー映画の怪獣として「紅蓮の怪鳥」ラドンは華やかに銀幕デビューを飾ったのです。

 本多猪四郎監督と円谷英二特技監督とのタッグ作『ゴジラ』『ゴジラの逆襲』に続く『空の大怪獣ラドン』が成功したことで、東宝特撮シリーズは盤石なものとなります。ラドンが姿を見せるまでのサスペンス性たっぷりの演出、音速で空を飛ぶラドンによって崩壊する長崎の西海橋、福岡の街が壊滅するシーンのミニチュアワークの素晴らしさに加え、怪鳥ラドン自身によるドラマ性が観客の心を大きく揺さぶったのです。

 九州の阿蘇山で生まれたラドンは空を飛ぶために行動範囲が広く、日本中を震撼させます。しかし、野生動物の持つ帰巣本能によって阿蘇山に帰ってくる習性があることを、古生物学者の柏木教授(平田昭彦)は指摘します。自衛隊はそこに目をつけ、阿蘇山をミサイル攻撃し、ラドンをマグマが噴出する火口の中へ沈めようとします。阿蘇山から流れ出る溶岩流によって、周辺の住民は避難を余儀なくされるという多大な犠牲を強いる作戦でした。

 自衛隊の狙いどおり、ラドンは噴火を始めた火口の中にある巣に戻ろうとします。このとき、ラドンは実は2匹いることが判明するのです。火口の中に懸命に戻ろうとするラドンはきっと雌で、もしかしたら火口の中の巣には卵が残されていたのかもしれません。牡と思われるもう一匹もラドンも、その後を追って火口へと飛び込みます。2匹は夫婦だったのでしょうか。

 自衛隊は見事にラドン撲滅作戦における勝利を収めたのですが、観客の胸には爽快感は湧かず、自分たちの巣を必死で守ろうとした2匹のラドンのけなげさと哀しみが強く印象に残ったのです。

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最終更新:6/17(月) 10:46
マグミクス

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