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プログレッシヴ・ロックの神髄!U.K.のデビュー作『憂国の四士』

6/16(日) 18:00配信

OKMusic

OKMusicで好評連載中の『これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!』のアーカイブス。今回はU.K.の『U.K.~憂国の四士』を紹介する。プログレ好きには忘れ去られることなく愛され続けてきたU.K.の記念すべきデビューを飾った名盤について触れつつ、その足跡を辿ってみることとしよう。
※本稿は2015年に掲載

プログレ四士、奇跡の競演

さて『U.K.~憂国の四士』である。時代はパンクロック、ニューウェイブの大波に揺れていた。贅沢三昧な大御所ハードロック、プログレッシブロック勢は完全に時代遅れなものになりつつあった。そんな斜陽の時代に、何を意地になってプログレを、それもスーパーグループで? そんなもので一発当てられるほど、世の中甘くないぜ、と聴くまではそう思っていた。だから、大した期待もせずに買った記憶がある。特にU.K.に関しては第三期キング・クリムゾンの残党というか、残り香というか、コンセプト(頭脳)なき集合体に違いないと頭から決めつけていたものだ。その読みは間違っていなかった。しかしながら、それほど腐しておきながらもアルバムを買ったのは、やはりアラン・ホールズワースの参加がとても大きかったからだ。彼とビル・ブルフォードとのコラボレーションなんて、想像しただけでも陶酔しそうになるではないか!

アラン・ホールズワース、ビル・ブルフォード、エディ・ジョブスン、ジョン・ウェットン…腐ってもプログレを知り尽くした男たちである。このバンドがデビューした時、世間は冷ややかなものだったと思う。英米はもっと冷淡だったと聞く。なんという時代錯誤なことをするのかと。いつまで過去の栄光にすがって生きるのかと。私もそう思っていた口だが、先述したように、そうは言ってもこの超強力なラインナップの魅力には抗えなかった。パンクな野郎どもが1000人くらい束になってかかっても適わぬくらいの腕前の持ち主が揃っているわけだ。そんな人たちに、いくらパンクな時代だからと言って出番がなくなる、見向きもされないというのは酷い話ではないかと。中には、パンクな女の子と交際してみたロバート・フリップ(キング・クリムゾン)や、それからザ・ポリスのように「俺たちはわざと下手なフリをして演奏していたんだぜ。だって、同じクラブの他の出演者と腕が違いすぎるからさ」(アンディ・サマーズ談)と、パンクに接近していった者、あるいはもとはプログレの総本山ともいうべきカンタベリー出身で、メンバーには後にロキシー・ミュージックでギターを担当するフィル・マンザネラがいたクワイエット・サンのドラマーも務め、アバンギャルドなパンクバンド、ディス・ヒートを結成するチャールズ・ヘイワードのような才人もいたが、今回の主役である憂国の四士たちはそんなフリはできないし、する必要もない。やれることをやるだけだ、と言わんばかりの開き直りようであった。そこまでいけば、いかに時代とズレていようが、何も批判するものでもなかろう。

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最終更新:6/16(日) 18:00
OKMusic

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