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最高級コーヒー豆、利益は1杯2円以下 価格暴落に苦しむ農家 コロンビア

6/16(日) 13:41配信

AFPBB News

(c)AFPBB News

【6月16日 AFP】コロンビア西部の緑豊かな山岳地帯では最高級のコーヒー豆が栽培されているが、地元の生産者は不公正な価格にいら立ちを募らせている。コーヒー豆の価格を決めるのは、ここから遠く離れた米ニューヨーク証券取引所(NYSE)。業界に打撃を与える値崩れが起きているのは、市場最安値にまで価格を押し下げている投機家のせいだと農家は非難する。

 生産者の一人であるグスタボ・エチェベリ(Gustavo Echeverry)さん(50)は、コーヒー豆農園が集まるこの山の住民約1万5000人の多くは不満を抱いていると話す。

「フェアトレード」認証されたコーヒーとは程遠いと地元の農家は言う。フェアトレード認証を受けているコーヒーは、公正な条件の下で栽培され、農家が搾取されていないことを保証する商品として国際的に認証されている。

 サントゥアリオ(Santuario)周辺では、別の作物への切り替えを余儀なくされた生産者もいる。

 昨年は国際取引価格の暴落に加え、害虫被害による品質低下にも見舞われ、栽培者らは生産コストを下回る価格で販売せざるを得なかった。

 1袋12.5キロのコーヒー豆を生産するには22ドル(約2400円)のコストがかかるが、エチェベリさんのコーヒー豆の卸値は1袋当たり平均21ドル(約2300円)だ。

 ラモン・ヒメネス(Ramon Jimenez)さん一家も、近くのサンアントニオ(San Antonio)農園で3世代にわたりコーヒー豆を栽培しているが、孫のハビエル(Javier Jimenez)さん(19)は、「父や祖父の後継ぎとして農場を経営しようと思っていたが、こんな状況が続くようなら他の仕事に目を向けないと。米国に行く方がいいのかも」と語った。

 コロンビアは、コーヒー豆の生産量がブラジルとベトナムに次いで世界3位となっている。高品質の生豆の生産においては首位を誇る。また54万世帯がコーヒーに関わる仕事で生計を立てており、輸出に占めるコーヒー豆の割合は石油や鉱物を抜いてトップとなっている。

■「コーヒー農園売ります」の広告に震え上がる地元

 だがサントゥアリオでは、コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)の事務所に掲示された「コーヒー農園売ります」という広告に、地元生産者らは震え上がっている。

 経営を続けるため、エチェベリさんのように観光客に農場を開放した経営者もいる。

 コロンビアで半世紀にわたって続いた内戦で、大勢の住民がこの山岳地帯を去った。サントゥアリオの首長、エベラルド・オチョア(Everardo Ochoa)氏は、コーヒー栽培が危機に陥るたびに人口が流出すると嘆く。

 2016年、コーヒーの国際基準価格は、1ポンド(約450グラム)当たり1.5ドル(約162円)から1ドル(約108円)未満に急落。史上最も大きい下げ幅を記録した。

 国際コーヒー機関(ICO)によると、2018~2019年のコーヒー豆の生産量は、1袋60キロで換算した場合、1億6700万袋になる見通しで、世界全体の消費量1億6500万袋を上回る。

 サントゥアリオでコーヒー豆の栽培が今も行われている唯一の理由は、多くの生産者たちにとっては「コーヒーが体の一部になっている」ためで、他にできることがないからだとエチェベリさんは話す。

 国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)は、「コロンビアのコーヒー産地の文化的景観(Coffee Cultural Landscape of Colombia)」を世界遺産として登録しているが、ここで栽培されているコーヒーの木は減少する一方だ。

■ニューヨーク証券取引所から生産者を解放する方法を模索

 以前コーヒー豆を栽培していたガブリエル・オチョア(Gabriel Ochoa)さん(70)は、「木は全部切り倒してしまった。代わりにサトウキビを植えたが、後悔していない」ときっぱりと言った。

 コーヒー豆の生産者を支援する団体「カフェ・フォー・チェンジ(CAFE FOR CHANGE)」の創設者であるフェルナンド・モラレスデラクルス(Fernando Morales-de La Cruz)さんは、この業界の利益配分をより公平にするための活動を行っている。

 モラレスデラクルスさんによると、高級店では1ポンドの生豆から55杯分のコーヒーを作れるが、豆の買い取りを行うグローバル企業が生産者に支払う額はわずか90セント(約97円)だという。つまり生産者の利益は、1杯当たり1.6セント(約1.7円)ということになる。「1983年に比べると4分の1だ」とモラレスデラクルスさんは憤る。

 コロンビア政府は、コーヒー豆の価格低下による社会的影響を懸念して8000万ドル(約87億円)の支援を発表しており、またFNCは、数十年にわたり価格を決めてきたニューヨーク証券取引所から生産者を解放する方法を模索している。

 だが価格交渉は他の産地のコーヒー豆の品質によって左右される可能性があるため、中米やアフリカの生産者らと協力する必要があるという。こうした抜本的な改革には時間が必要だ。

 サントゥアリオでは、今年も10~11月に収穫期を迎える。それまでに何も変わらなければ、売りに出されるコーヒー農園はもっと増えることになる。

 映像は、コロンビア・サントゥアリオのコーヒー農園。5月9~11日撮影。(c)AFPBB News

最終更新:6/16(日) 13:41
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