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多くの自動運転車関連企業が頭を抱える「コストが高過ぎる」問題

6/17(月) 9:00配信

TechTargetジャパン

 チップメーカーのArm向けにアナリスト企業Forrester Researchが自動運転車(Autonomous Vehicle:AV)の開発を見据えた調査を行った。

 その報告書によると、エンジニアはAVに必要な技術はコストがかかり過ぎると考えている。AVのプロトタイプを開発している組織の大半は、そのプロトタイプを安全かつ安心で手頃な価格の製品に転換するのに悪戦苦闘しているという。

 Forresterは調査の中で機械学習と認知分野の1人のエンジニアにインタビューし、完全なAVはいつ頃利用可能になるかを尋ねている。「製品レベルのAVになるまで10年以上はかかる。その後も、AVが高級車に限られる期間が長く続くことは間違いないだろう」というのがその答えだ。

 Forresterのオンライン調査はAVを開発しているグローバル企業54社に対して行われ、22%の企業が部品のコストが高過ぎると考えていることが分かった。

 システムの信頼性も大きな懸念材料だ。調査に参加したエンジニアの3分の1は幾つか憂慮点を挙げている。

・ソフトウェアの動作がどのような状況にも耐えられるものではないこと
・部品のコストが高いこと
・AVシステムをサイバー攻撃から保護する必要があること

などがその例だ。

 SAE(Society for Automotive Engineers)はAVの進化を5段階で表現している。レベル1が完全なマニュアル車で、最高のレベル5は人間が全く操作しなくても走行できる車だ。レベル2はある程度ドライバーを支援する車。レベル3は人間が操作しなくても適切な進路の走行、加減速、他の車両の追い越しが可能な車。レベル4は拡張人工知能(AI)の高度な段階で、ドライバーが車をコントロールできなくても車自体が徐行し、路肩に寄って安全な場所に停車するものを表す。

 業界の目標はレベル5に到達することだが、Forresterがインタビューしたエンジニアの多くは、製品レベルのAVに必要なセンサー技術はまだ初期段階だと答えている。

 ある自動運転プログラムの責任者は、レベル4からレベル5に移るに当たっての課題はセンサー技術が存在しないことだとし、次のように話している。「コンピューティングの能力とアルゴリズムがまだ存在しない。無数にある条件下でドライバーがしている判断の量は膨大だ。あらゆる状況下で人間以上に安全な方法でコンピュータが全てを判断できるようになるまで10年以上かかる。AVが世間に受け入れられるには、人間ができることの少なくとも10倍のことにコンピュータが対処できなくてはならない」

 ArmでAVのソリューションおよびプラットフォームのディレクターを務めるロベルト・デイ氏は、この調査についてブログに次のように記している。「私が知るAVメーカーの担当者は一様に、能力不足のコンピュータを一連の高価なセンサーで補強している現状では、規模は拡大しないだろうと話している。たとえ大きな処理能力が得られたとしても、AVにはまだドライバーのサポートが必要だ」

 Armの立場は、安全性と低コストを両立させた効率の高いAIに力を入れ、実稼働できるAVのサポートを担うことだと同氏は語った。

TechTargetジャパン

最終更新:6/17(月) 9:00
TechTargetジャパン

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