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授業の発表はGoogleスライド、フォームで模擬選挙も 学校教育で進むWebサービス活用 リードする埼玉県に聞いた

6/17(月) 11:37配信

ITmedia NEWS

 「高校の授業で、生徒全員にGoogleアカウントを作らせる」──5月、Twitterでこんなツイートが話題になった。高校の授業といえば、模造紙に手で文字を書き込みクラスで発表、教師は紙で小テストを作り、理科の実験は教科書の手順を見ながら進めていた。記者もそんな世代だ。

教育機関向けのG Suite「G Suite for Education」で使えるWebアプリ

 それが今では、生徒はGoogleスライドでプレゼン資料を作り、教師はアンケートが作れるGoogleフォームで小テストを作成、理科の授業では動画撮影した実験の様子をGoogleドライブで共有するなど、一部ではあらゆる授業でWebサービスを活用している学校があるという。

 そんな"イマドキ"な学校のICT環境はどうなっているのか。教育のICT化を推進するプロジェクトで、GoogleのWebアプリ活用を進める埼玉県の教育局県立学校部高校教育指導課に話を聞いた。

埼玉県教育局の進めるICT環境整備とは

 埼玉県では2010年度から、教師が子供に知識を一方的に教えるのではなく、体験学習やディベート(討論)などを通じて、子供が主体となって学習する「アクティブラーニング」の研究を東京大学の教育研究組織「CoREF」と共同で行ってきた。

 PCやタブレット、Webアプリなどはアクティブラーニングと相性がよく、埼玉県では16年度からそれらICTツールを活用してアクティブラーニングを推進する「近未来学校教育創造プロジェクト」に取り組んでいる。

 19年現在、県内の高校では、Googleが開発するOSを搭載したノートPC「Chromebook」を35校にそれぞれ44台ずつ導入。生徒たちは必要なときにChromebookを保管庫から取り出して授業を受ける。

 最終的には県立高の139校に、PCやWebアプリの他、数十人の生徒が一斉にアクセスできるWi-Fiやセキュリティ対策といった環境を整備するという。

スライドは共同編集、フォームで模擬選挙も

 Twitterで話題になった学校のように、埼玉県の県立高校では生徒たちが授業でGoogleドキュメントやスプレッドシートを使ったグループワークを行ったり、教師がGoogeフォームで作った小テストやアンケートが使われていたりするという。

 社会科では16年の選挙権年齢の引き下げを受け、とある授業で模擬選挙を取り入れていた。実際に政治的な内容について授業で考え、投票するが、意見が書かれた紙を他人に見えないように折りたたんで投票箱に入れる作業は時間がかかる。そこで教師がGoogleフォームでアンケートを作り、生徒が回答する方法を採用。投票や集計の時間が短縮でき、考える時間を長く取れるという。

 理科や家庭科では、実験や裁縫、調理の様子を動画撮影し、共有する。教師が何度も手本を見せなくても、生徒は動画の再生位置を好きなタイミングで動かして見られる。

 体育では、生徒が体操やソフトボール投げを行う様子を動画撮影して見ることで、客観的に自分の体の使い方を分析できるようになった。

 座学のやり方も大きく変わる。これまで教師が黒板に向かって板書している間は授業が停滞していた。しかし、事前に授業スライドを作り、授業中はプロジェクターで投影することで、板書の時間が削減できる。スライド自体を生徒と共有すれば、生徒は手元のChromebookからメモを書き込める。資料のプリントを前の席から回す必要もない。

 アクティブラーニングを取り入れた授業では、生徒たちが数人のグループで共同作業をすることがある。与えられた問題を解くために調べ物をし、話し合いながら解決策を探り、結果をスライドや文章にまとめて発表するという流れだ。Webアプリを使えば、調べ物の結果を一つのドキュメントで共有したり、スライドを共同編集したりできる。資料を共同編集できる点が、Webアプリとアクティブラーニングの相性がいい理由の一つだという。

 最新のICTツール導入で、一見すると大きな効率化が図れているように見える。しかし、現場から拒否反応はなかったのか。

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最終更新:6/17(月) 19:09
ITmedia NEWS

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