ここから本文です

芸能人と事務所との間に契約書面は法律上必要なし…元アイドル平松まゆき弁護士

6/17(月) 18:23配信

デイリースポーツ

 カラテカ入江慎也が、振り込め詐欺グループの忘年会に所属事務所である吉本興業の芸人を仲介して出席させ、吉本から契約解除となった。これについて同じ事務所の今田耕司は「契約してないのに契約解除」と吉本ではきちんと契約しているのは数組でしかないとテレビ番組で驚き、同ハリセンボン近藤春菜も「契約解消というなら、契約書を作って」と訴えた。契約書がなくても契約は法的に成立するのか。かつてアイドルとして活動し、歌手デビューも果たした平松まゆき弁護士にQ&A方式で解説してもらった。

【写真】バイトテロによる不適切動画で従業員への罰金は合法か…平松まゆき弁護士が解説

  ◇  ◇  ◇

 Q 契約書がなくても、芸能事務所と芸能人の契約は成立するのですか?

 A 成立します。世の中の契約は、借金の連帯保証人になる場面といった保証契約等の一部の例外を除いて書面を必要としないものがほとんどです。芸能事務所と芸能人との契約についても、法律上、契約書等の書面は必要とされていません。口約束だけであっても両者の間には「なんらかの」契約が成立したということになります。

 Q 「なんらかの」契約というのはどういう意味ですか?マネジメント契約ではないのですか?

 A 芸能人と芸能事務所との間で結ばれる契約のことを、「マネジメント契約」とか「タレント契約」「アーティスト契約」等と呼ぶことがありますが、これらは法律上は存在しない呼称です。法的に類型化するとすれば、一般的には委任(準委任)契約、請負契約、雇用契約ということになろうかと思いますが、これらの複数の側面を併せ持つ場合も考えられます。

 Q どの類型に属するかによって違いがあるのですか?

 A 各類型ごとに適用される法律や条文が異なります。たとえば契約解除の場面一つをとっても、仮にその契約が委任(準委任)契約であるならば当事者はいつでも契約解除可能であるのに対し、雇用契約であるならば労働基準法が適用され、使用者である事務所側の自由な契約解除は許されません。この点、契約書があればまずは契約書の文言に従ってどのような場合に契約解除ができるのかがある程度明確になります。もちろん契約書1つですべての争いを解決できるわけではないのですが、契約書がない場合はその契約がどの類型に属するのかという根本的なところから争いになることは必至で、問題が一層複雑化することは目に見えています。

 Q ご自身は、芸能活動されていたときに契約書を交わしましたか?

 A はい。17歳の未成年でしたので親同席で交わしました。懐かしい思い出です。昨今は、私が活動していた時代と異なり、地下アイドル系事務所等、事業の実態がよく分からない事務所に不当に拘束されているという話もよく聞きます。事務所側、芸能人側双方にとって、言った言わないという不毛な争いを避けるためにも、やはり契約書はあったほうがいいでしょうね。

最終更新:6/17(月) 19:12
デイリースポーツ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事