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スケボー界にシンデレラ 12歳・岡本碧優が最高峰国際大会でV「実感が全く湧かない」

6/18(火) 5:34配信

スポーツ報知

◆スケートボード デュー・ツアー最終日 ▽パーク女子(16日、米国・カリフォルニア州ロングビーチ)

 五輪予選対象大会の初戦が行われ、パークの女子は12歳の岡本碧優(みすぐ、Proshop Bells)が63・16点で優勝した。2位のフィンランド選手に8・16点差の快勝で、新採用される東京大会の金メダル候補に名乗りを上げた。10歳の開心那(ひらき・ここな、hot bowl skate park)が53・06点で3位に入った。上位5人中4人までを日本勢が占め、東京五輪の出場枠「3」を巡る争いは今後激化しそうだ。

 表情にあどけなさの残る12歳の岡本が、ダイナミックな滑りで並み居る強豪を圧倒した。「優勝できるとは思っていなかったのでびっくり。納得のいく滑りで優勝することができて、うれしい。でも、実感が全く湧かない」。一躍、金メダル候補に躍り出た五輪に思いをはせ「世界中が注目するすごい大会。チャンスがあったら出てみたい」と目を輝かせた。

 女子では群を抜くエアの高さとスピード感に加え、大技の横1回転半「バックサイド540」や空中で板を前後に入れ替える難技など多彩な構成で独壇場を演じた。1回目にたたき出した58・16点が抜かれることはなく、最後の3回目はさらに意外性あふれる技を繰り出して大台の60点を軽々と超えた。

 “世界初”の大技で、世界トップのレベルを一気に引き上げた。1回転半の大技を、軸を斜めにして3回とも成功させたが、女子が実戦で決めたのは今大会の岡本が初とされる。「失敗するかも、と不安だったが、決まってよかった」。昨年11月の世界選手権でワンツーフィニッシュした四十住と中村や、Xゲームなど最高峰のプロ大会で活躍する米国勢らを突き放した。

 141センチの小さな体には、大きな負けん気がつまっている。5月に横浜市で行われたスケートボードのイベントでのことだった。5メートル近い高さのUの字コースを滑りながらエアを披露するコーナーに、女子ライダーの代表として登場した。失敗を繰り返すも、最後は周囲の制止を振り切ってまでトライ。見事に技を決め、拍手喝采を浴びた。

 スケートボードが生活の中心だ。昨年12月からパーク男子で日本勢最高の10位だった笹岡建介(Proshop Bells)の実家に下宿し、武者修行中。地元の愛知を離れ、今年4月からから岐阜の中学校に進学した。第一人者と一緒に腕を磨き、演技構成のアドバイスを受けている。「(コース上部の縁を車輪の金具で滑る)グラインド系の技やスピードがまだまだ」と課題を自覚。まだ1年以上ある五輪本番までの伸びしろは計り知れない。

 ◆日本人の最年少五輪代表

 ▽夏季 競泳の竹本ゆかりが13歳6か月で1968年メキシコ市大会に出場し、女子100メートル平泳ぎで予選敗退。女子平泳ぎの長崎宏子は11歳0か月で80年モスクワ大会代表に選ばれたが、日本が選手派遣を中止で幻に。20年東京五輪では飛び込みの玉井陸斗に、13歳10か月での日本男子最年少出場の期待がかかる。

 ▽冬季 女子フィギュアスケートの稲田悦子が12歳0か月で36年ガルミッシュ・パルテンキルヘン(ドイツ)大会に出場し、10位だった。

 ◆デュー・ツアー スケートボードでパークとストリートの五輪種目を実施する世界最高峰の国際大会。今年は東京五輪予選に組み込まれ、パークは今季3戦中の第1戦、ストリートは同5戦中の第2戦。国際オリンピック委員会認定の競技団体「ワールドスケート」が定める格付けで世界選手権の次に重要度が高い「プロツアー大会」。32位の選手まで五輪ランキングに反映される得点が付与される。

 ◆東京五輪の代表選考 五輪は複雑な形のコースで争う「パーク」と街中を滑るようなコースで争う「ストリート」との男女2種目で各20人出場、国・地域別の最大出場枠は各3。世界選手権で上位3人が出場権獲得、残りは国際統括団体ワールドスケートの五輪ランキングで決定。同ランキングに加算される大会はパーク3試合、ストリート5試合。パークの次戦は国際オープン(7月14~19日、中国・南京)。ストリートの次戦はストリートリーグ第2戦(7月23~28日、米国・ロサンゼルス)。

 ◆岡本 碧優(おかもと・みすぐ)2006年6月22日、愛知県高浜市生まれ。12歳。小2からスケートボードを始め、昨年11月、パークの世界選手権(中国・南京)で5位入賞。今年3月の日本オープン・パーク大会優勝。5月の日本選手権は2位。141センチ、36キロ。

最終更新:6/18(火) 5:42
スポーツ報知

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