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イランの攻撃か、アメリカの謀略か。最新情報からテロ専門家が読み解く「真犯人の可能性」

6/17(月) 5:12配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

オマーン湾イラン沖でのタンカー攻撃事件(6月13日)で、アメリカとイランの主張が真っ向から対立している。

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アメリカは最初から「イラン犯行説」を主張。対するイランは事実無根を主張し、アメリカの敵対的な態度を激しく非難している。

各国の報道も「誰の犯行か」については見方が分かれている。主観的な「意見」も多いので、本稿執筆時点で判明している情報をベースに、ファクトを検証し、考えられる可能性を分析してみたい。

【Fact.1】犯人はいまだ「不明」

まず、犯行主体を明らかにする決定的証拠はまだ出てきていない。したがって、犯人は現時点では「不明」である。

【Fact.2】犯行現場は「イラン沖合」

地理的に最も近い国は、イラン。次にオマーン、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビアと続く。これらの国の軍・機関であれば、攻撃の実行は容易だ。ほかにもアメリカやイスラエルなど、強力な軍や諜報機関を持つ国なら可能だろう。

非国家組織でも、イラン南東部を地盤とする反イラン政府テロ組織「ジェイシュ・アドル(正義の軍隊)」なら、その通常の活動エリアに近い。ただし、ジェイシュ・アドルは小組織であり、海上テロの前歴も確認されていない。

また、イランの「イスラム革命防衛隊」(最高指導者に直結する軍隊)が支援する、イエメンのシーア派民兵「フーシ派」は、2018年に紅海でサウジアラビアのタンカーをミサイル攻撃した前歴がある。

今回のタンカー攻撃についても、サウジ主導の連合軍が「フーシ派による犯行の可能性」を指摘しているが、フーシ派の活動エリアはイエメン西部で、今回の犯行現場からはかなり遠い。可能性としては低いと言わざるを得ない。

【Fact.3】「吸着水雷」がタンカーに仕掛けられていた

今回、国華産業(東京・千代田区)が運用するタンカーの右舷に、リムペット・マイン(吸着水雷)が仕掛けられていたことが確認されている。非国家テロ組織が所有している可能性はきわめて低い武器で、少なくともテロ組織がどこかの国の支援なしで単独で入手して仕掛けるのは難しい。

なお、米軍の発表した映像では、リムペット・マインであるかどうかは確認できないとの指摘が一部からなされているが、後述するようにイランがすでに回収しており、違うモノであればイラン側が公表しない理由がない。その可能性はきわめて低いと言える。

なお、上記タンカーの乗組員は「2回目の爆発時に飛来物を目撃した」と証言している。爆発が何に起因するものだったのかはいまだ確定されていないが、リムペット・マインが仕掛けられていたことそのものは事実であり、犯行主体の推理には影響しない。

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最終更新:6/17(月) 12:37
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