ここから本文です

特別寄稿 第1回(全3回)2018年度の中小企業の動向

6/17(月) 7:04配信

東京商工リサーチ

 2018年の我が国経済は緩やかな回復基調にあり、中小企業の経常利益は過去最高の水準を維持している。他方で、休廃業・解散件数は増加傾向にあり、中小企業の数は年々減少している。我が国経済が持続的に成長していくためには、未来に残すべき事業や経営資源を次世代に引き継ぐことが重要である。また、同年は大阪府北部地震、平成30年7月豪雨(西日本豪雨)、台風第19~21号、北海道胆振東部地震など、大規模な災害が続けて発生した。相次ぐ災害を踏まえ、中小企業が自然災害への事前対策に取り組み、事業を継続するための体制を構築していくこともまた重要である。
 2019年4月に公表された「2019年版中小企業白書」(以下、「白書」)では、令和時代を迎えるに当たって求められる、経営者の円滑な世代交代や、頻発する災害や経済・社会構造の変化に合わせた自己変革の取組について分析を行っている。本連載ではその中から、中小企業の動向、経営資源の引継ぎ、構造変化への対応及び防災・減災対策について取り上げる。今回は導入として中小企業の動向について紹介する。

◆中小企業の現状(第1部第1章)
 中小企業の経常利益はリーマン・ショック直後に大きく落ち込んだが、その後は緩やかな回復基調が続いている。2018年の動きを見ると、やや横ばいに転じたきらいもあるが、過去最高水準となった2017年とほぼ同水準で推移している。
 また、良好な資金繰り環境が功を奏し、倒産件数は2009年以来10年連続で減少し、2018年の倒産件数は8235件と、バブル期の1990年以来28年ぶりの低水準となった。規模別に見ても、中規模企業・小規模企業ともに減少傾向にある。
一方で、経営者の高齢化や後継者不足を背景に休廃業・解散企業は年々増加傾向にあり、2018年では46724件となっている。

◆中小企業の構造分析(第1部第2章)
 こうした現状の中で、企業数はどのように変化しているだろうか。我が国の企業数は1999年以降年々減少傾向にあり、直近の2016年には359万者となっている。このうち、中小企業は358万者であり、その内訳は小規模事業者305万者、中規模企業53万者となっている。2014年から2016年の2年の間に企業数は23万者(6.1%)の減少となった。規模別に内訳を見ると、大企業が47者増加する一方、中規模企業が3万者減少、小規模企業が20万者減少しており、特に小規模企業の減少数が大きいことが分かる(第1図)。

1/2ページ

最終更新:6/17(月) 9:32
東京商工リサーチ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ