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東京の「お盆」は、なぜ1か月早いのか? その背後にあった「生活の知恵」とは

6/17(月) 17:31配信

アーバン ライフ メトロ

同じ自治体でも、開催時期が異なるケースも

 東京周辺のお盆が7月15日を中心に行われるのは分かりました。ですが、例外はないのでしょうか?

「当然あります。以前調査したところ、北区の一部の地域で、昭和30~40年代ごろまでお盆を8月に行っていたことが分かりました。当時は23区内でも農業が行われ、都市化が遅かった地域は、そのような習慣が残っていたのです」(山田さん)

 その逆で、北海道や沖縄、南関東の一部、静岡など、地方でも7月にお盆を行う地域はあります。また、同じ自治体の中でも、開催時期が異なる地域もあるようです。

「大分県では、名産品として知られるホオズキの出荷量の大小で、開催時期が異なる地域がありました。出荷量が多い地域は8月で、少ない地域は7月。また、開催時期が変化したケースもあります。私が40年前に調査した時、愛知県豊橋市は8月、隣接する静岡県浜松市は7月でした。しかし、20年前に再び調査したところ、浜松市の半分は8月に変わっていたのです」(蒲池さん)

 また、山田さんも「5年前の調査で、熊本市も市内で7月と8月に分かれていることが分かりました」と話しています。

「地域の習慣」であり「各家庭の習慣」

 こういった地域による例外のほかにも、家庭ごとの例外もあります。

「当人が地方在住の場合でも、菩提寺(先祖代々の墓を置く寺)が東京にある場合には、7月に行うケースも多いです。このことから分かるように、お盆の開催時期というのは『地域の習慣』であると同時に、『各家庭の習慣』でもあるのです」(山田さん)

 今回はお盆について聞きましたが、そのほかの年中行事にも同様のことがいえるのでしょうか。最後に蒲池さんに聞きました。

「もちろんお盆だけの話ではありません。『桃の節句』や『端午の節句』の時期をずらして行っているところもあり、地方によってさまざまです。これらに共通するのは、その土地土地に住む人たちが、明治政府の一方的な『改暦』に対して、自分たちの住む気候風土や風習、ライフサイクルに合わせて、臨機応変に行事を続けてきたということです」

 お盆の開催時期などの違いをとおして分かったこと――それは、たくましい庶民の「生活の知恵」だったのかもしれません。

ULM編集部

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最終更新:8/3(土) 11:11
アーバン ライフ メトロ

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