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サッカー日本代表、新システム導入への思いと手にした可能性

6/17(月) 22:20配信

テレビ東京スポーツ

サッカー日本代表が、9月から始まる2022年FIFAワールドカップ予選を前に、新たな引出しを加えた。

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6月5日と9日に行われたキリンチャレンジカップ2019の親善試合の2試合で、日本代表は森保一監督体制で初の3バックを採用。1戦目のトリニダード・トバゴ戦は0-0ながらも2戦目のエルサルバドル代表戦では2-0と快勝し、チームは新システムでの可能性を示し、手応えを得た。

森保監督の下で昨年9月に始動して以降、チームは一貫して最終ラインに4人を並べる4バックで戦ってきたが、指揮官は自身がサンフレッチェ広島監督時代に採用していた3バック導入のタイミングを「4バックでチームの基盤を作った上で」と考えて、就任以来ずっと探っていたという。

そして、「ワールドカップ予選や今後の戦いで対応できるように」という思惑のある監督は、9月からのワールドカップ予選開始を前に試せる機会はこの2試合しかないと採用に踏み切った。

所属クラブでも4バックでプレーしている選手がほとんど。しかも代表チームでの練習が2日という短時間だったこともあり、1戦目のトリニダード・トバゴ戦では、選手に戸惑う様子も見られた。

3バックの特長であるウィングバックは、4バックでのサイドバックよりも中盤に上がった位置でプレーするが、その動きや周りとの連係など、各選手が考えながらプレーするところがあった。試合時間とともに徐々に改善されて、最終的にはシュート25本という数字は残したものの、流動性や躍動感は従来のシステムに比べると少し物足りない印象を残した。

DF酒井宏樹選手とともにウィングバックを務めたDF長友佑都選手は、「考えながらやっていたつもりだが、前半はサイドバックの癖が抜け切れていなかった」と話していた。

ポジティブなイメージに

だが、2戦目のエルサルバドル戦では、1戦目に出た課題を中3日という準備期間で修正。チームは、より攻撃的で連動したプレーを披露した。

第2戦のウィングバックを務めたMF原口元気選手とMF伊東純也選手は持ち味をフルに発揮。原口選手は所属クラブでウィングバックの経験もあり、伊東選手も中盤のアウトサイドでの仕掛けが得意。それぞれの良さがチームの力として反映され、結果としてチーム全体に3バックの良いイメージを与えることにもなった。

チームとしてさらに経験を重ねる必要はあるが、新システムに手応えを得た長友選手は、「これをオプションに持てるのは大きい」と述べて、こう続けた。

「僕らはワールドカップのベルギー戦で悔しい思いをした。あの頃、3バックができていたら違った結果になっていたかもしれない」

昨年の夏、ロシアで挑んだワールドカップで日本は16強に進出し、ノックアウトステージ1回戦でベルギーと対戦。2-0のリードを奪い、初の8強入りを目前にしながら残り約20分で相手に逆転を許し、涙をのんだ。決定打となった3点目はアディショナルタイム突入直後だった。

あの場面でもう少し対応力があればという思いは、西野朗監督のアシスタントコーチとしてあの場にいた森保監督にも強く残った。大会直前の指揮官交代で緊急登板した西野監督の下、チームは4バックで臨み、3バックを試すまでの時間はなかったのだが。

当時の思いは、自身が代表監督に就任以来選手たちに繰り返し求めてきている「対応力を持って臨む」という言葉に表れている。そしてそれが、今回の3バックの導入につながった。森保監督の「今後の戦いで対応できるように」という「今後」には、カタールでのワールドカップが含まれているのは言うまでもない。

今回の2試合で初めて試したシステムに、森保監督は「ある程度できたかと思う。最初の一歩を踏み出したところだが、選手たちがいい感覚を持って1つのオプションにできるような戦い方ができたのでは」と話している。

さらに、2戦目では後半15分弱で3バックから4バックへの変更も行い、指揮官は「今後の戦い方に活きてくると思う」として、こちらにも手応えを覚えたようだった。

取材・文:スポーツジャーナリスト 木ノ原句望

テレビ東京スポーツ

最終更新:6/17(月) 22:20
テレビ東京スポーツ

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