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沖縄で戦死 形見の印鑑帰還 岡山出身陸軍兵の所持品 遺骨なく親族「奇跡。墓に」

6/17(月) 15:49配信

山陽新聞デジタル

 太平洋戦争末期の沖縄戦で犠牲になった岡山県出身の青井澄郎さん=享年(21)=の物とみられる印鑑が、5月17日付の本紙報道をきっかけに、遺骨や遺品を収集している那覇市の男性から岡山市の親族に返還された。戦後70年以上を経ての“帰郷”を、親族は「奇跡だ」と感慨深く受け止めている。

 親族は、いずれも岡山市に住む青井さんの妹・西家芳子さん(87)と、おいの青井治彦さん(65)。

 澄郎さんの遺品とみられる印鑑があることは2人とも知らなかったが、記事を見て名乗り出た。治彦さんは、かつて沖縄で石碑に刻まれた戦没者名を見た際、青井姓は1人だった記憶があり、記事中の「青井澄郎さん」は伯父だと確信したという。親族や子孫を捜していた那覇市の国吉勇さん(80)の支援者に連絡を取り、送ってもらった。

 今月5日、現物を手にした西家さんは「小さなものを見つけてくれ、本当にありがたい」、治彦さんは「よく残っていた」と、しみじみと語った。

 西家さんらによると、澄郎さんは現在の岡山市北区田町で育ち、温厚で正義感が強かった。神奈川県の陸軍兵器学校を卒業し、1945年5月に今の沖縄県南城市で戦死したとされる。終戦後、遺族の元に遺骨や所持品が返ることはなく西家さんは「遺骨の代わりに印鑑を墓に納めたい」と話している。

 印鑑は、国吉さんらが2006年に南城市の大里城跡周辺で発見。同じ場所で見つかった旧日本陸軍の部隊の認識票や生存者の証言などから、青井さんの印鑑である可能性が高いとみていた。親族に届けることができ、国吉さんは喜んでいるという。

最終更新:6/17(月) 16:34
山陽新聞デジタル

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