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村上春樹「もう一生聴かなくてもかまわない」と思ったビートルズの曲は?

6/17(月) 21:11配信

TOKYO FM+

作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめたラジオ番組「村上RADIO~The Beatle Night~」が、6月16日(日)にTOKYO FMにて放送されました。この番組では村上さん自らディレクターもつとめ、リスナーに“聴いてもらいたい曲”をかけています。
第6回の放送となる今回は、村上さんが選んださまざまなアーティストによる、ビートルズのカバー曲を紹介しました。本記事では、そのなかから後半の2曲と村上さんの“好きな言葉”についてお話された概要を紹介します。

◆「Yesterday」Marianne Faithful

この曲は当時、本当にとことん流行ったんです。どれくらい流行ったかというと、僕が「この曲はもう一生聴かなくてもかまわない」と思ってしまうくらい流行りました。なにしろラジオのスイッチを点ければ、「イエスタデイ」が流れているんです。良い曲なんだけど、最後には「もういい、『イエスタデイ』、頼むからやめてくれ!」と叫びたくなりました。

そんな僕でも、このマリアンヌ・フェイスフルが可憐な声で歌う「イエスタデイ」は、ときどき聴きたくなります。最近はすっかりドスのきいた声になってしまいましたが、このころのマリアンヌ・フェイスフルは妖精のようなイノセントな歌声でした。

『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の話を続けます。先日、知り合いのオランダの人から「ジ・アナログズ(The Analogues)」というバンドのDVDが送られてきたんですが、これがビートルズそっくりに演奏するオランダのバンドでして、アルバム『サージェント・ペパーズ』に収録されている音楽をライブで、順番通り厳密に再現しているんです。それも、わざわざリバプールまで行って、地元の観客の前でやってるんです。ヴィジュアル的には今ひとつ冴えないおっさんバンドなんだけど、楽器やらPAやらも、すべて当時のオリジナルのものを揃えているという徹底ぶりで、そのすさまじい熱意に打たれます。コンセプトとしては、クラシック音楽の古楽器演奏と同じです。

ビートルズは『サージェント・ペパーズ』を発表したころには、もうライブ演奏をやめていましたから、彼らがどんな楽器を使って、どんなふうに演奏したか、映像として残っていないので、僕らにはなかなかわからない。ところが、このアナログズのライブ演奏を見ていると、「へえ、このサウンドは、こんなふうに構成されていたんだ」みたいなことが、だいたい一目で見て取れます。もちろん、スタジオ録音をそのままライブで再現することはできないから、あくまで近似値なんだけど。それにしても、目からウロコというか、一見一聴の価値はあります。「ジ・アナログズ」、名前もなかなかいいですね。

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最終更新:6/17(月) 21:11
TOKYO FM+

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